さる7月3日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)は「第3者弁済」を拒否している日帝強制動員被害生存者2人と遺族2人を相手に「判決金」を裁判所に供託する手続きを開始した。日本の戦犯企業の代わりに韓国企業のお金で強制動員問題を封じ込めようとしたが、思い通りにならないと「お金があるから自分で引き出せ」というのだ。あまりにも不条理で杜撰だ。

 


これにより、日本の護衛兵、行動隊長、国際代弁者を自称していた尹錫悦政権の性格がまたもや鮮明になった。 


 

今回の供託の試みは、判決で確定した日本戦犯企業の賠償債務を免除し、強制動員被害者の債権を消滅させようとするものだ。韓国国民である被害者は日本企業に直接賠償を要求し、大韓民国最高裁が日本企業の賠償責任を確定したのに、韓国政府は日本企業の法的責任を免れさせようと躍起になっている。「汚いお金」を絶対に受け取らないという被害者の意志を強引に握りつぶしても日本に免罪符を与えようとしている。

被害者家族は「人間として扱われていない」、「個人の人権をこのように蹂躙できるのか、どうしたらいいのか分からない」と憤りを爆発させている。被害者たちを長い間無視して「邪魔者」扱いし、脱法的なやり方で彼らの正当な権利を踏みにじろうとする尹錫悦政権は一体誰のための政府なのか?

 



さらに、尹錫悦政権は「賠償金」ではなく「判決金」という法律にもない用語で問題をゴマ化し、歴史を歪曲することに躍起になっている。

「賠償金」は違法行為で発生した損害に対する対価という意味であり、「判決金」は判決によって宣告された金額という意味だ。「賠償金」はお金の性格を含んだ用語だが、「判決金」はお金の性格を消すための言葉だ。尹錫悦政権がわざわざ「判決金」と強調するのは、韓半島の違法強占と強制動員に対する日本国の根本的責任と日本企業の違法行為責任という問題の本質を隠し、「お金の受渡し」だけを浮き彫りにするための策略だ。徹底的に日本の利益を反映した日本側の歴史観だ。


 

政府の今回の「強引な供託」は、「第3者弁済」に反対している被害者たちと連帯する市民募金運動が本格化するや、これを無力化するための強引な策動だ。被害者とその家族をお金で圧迫して締め括ろうとしたが、それがうまくいかなかったので、「法」で締め括ろうとする焦りの結果だ。

歴史を法で締め括ろうとする法悪用の代表的な事例であり、人権を法の名の下に踏みにじる史上類を見ない事件である。

歴史正義を正し、平和を求める人々を「反国家勢力」と規定してきた認識レベルの延長線上にある。市民は強制動員被害者の苦しみを分かち合い、名誉を守るために浄財を出して参加しているが、韓国政府は加害国の側に立って被害者の正当な権利まで侵害し、被害者と連帯する市民を弾圧している。一体、尹錫悦政権はどこの国の政府なのか?

 


幸いなことに、裁判所は梁錦徳(ヤン・クムドク)ハルモニを対象にした韓国政府の判決金の供託を拒否し、李春植(イ・チュンシク)さんと他の被害者遺族に対する供託3件も書類不備を理由に却下した。被害者が望んでいないのに、稚拙な準備で供託手続きを強行し、強制動員問題の幕切れを図る韓国政府にブレーキがかかったのだ。これに対してナンセンスな論理で裁判所を非難し、不服申し立てをする韓国外交部の行動は耳目を疑わせる。三権分立と憲法に違反してまで日本の念願を叶えようとする韓国外交部は、果たして韓国外交部なのか?日本外交部なのか? 

 



日本右翼ファシストの歴史観点に立ち、日本国の利益を優先し、日本政府の要求ならどんな手を使っても貫徹させようとする尹錫悦政権は果たして誰の政府なのか? 日本政府と日本企業の野蛮な犯行を許す権限を誰から委任されたのか? 100年間の犯罪を認めず、責任も負わない不誠実な日本国を何の名目で許し、同伴者として認めるのか?種々の策略で福島汚染水の放流を強行し、地球上のすべての生命に対して核テロを実行しようとする日本政府を何のために代弁しているのか?

 


私たちは、尹錫悦政権の反法治、反歴史、反人権、反民主主義的行為に最後まで抵抗し、恥知らずで傲慢な日本政府が戦争犯罪を認め、日本軍性奴隷制と強制動員被害者に謝罪・賠償するその日まで闘うことを改めて誓う。被害者たちの痛みを分かち合い、人権と歴史正義を共に守り、尹錫悦政権の強制動員の屈辱的な解決策に立ち向かい、日本が謝罪・賠償するその日まで共に闘いましょう!

 



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正義記憶連帯 理事長 李娜栄(ナヨン)



(訳 権龍夫)