独ベルリン市長の「少女像撤去示唆」発言が物議を起こしています。


さる516日、ベルリン市のプレスリリースによると、ベルリン・東京の姉妹都市提携30周年を迎えて日本を訪問したベグナー市長は、上川外相と会談し、「論争になっているベルリンの少女像問題に対する解決策を提案した」そうです。彼は「女性に対する暴力に反対する記念碑は賛成だが、一方的な表現があってはならない」と言及し、「管轄区役所、連邦政府などすべての関連当事者と話し合っており、在独日本大使もこの議論に参加させる」と話したそうです。 


結局、少女像の碑文に書かれている「第2次大戦中、日本軍は少女と女性を強制連行し、性奴隷にした」という表現が日本政府の心証を害して問題があるので、日本の意見を聞いて撤去するという意味です。第2次世界大戦でナチスドイツが犯した歴史的過ちを贖罪するために継続して努力してきたドイツが、戦争の代償として朝鮮半島のような分断の痛みを経験したベルリンの市長がそのような発言をすることに驚くばかりです。

 


私たちは、ベルリン市長の発言が、これまで日本政府の露骨で執拗な少女像設置妨害および撤去工作と無関係ではないと知っています。

少女像に対する日本のヒステリックな反応は、2011年の日本大使館前の平和の少女像の設置時点から始まり、同じ形の少女像が2013年に米国グレンデール市に設置されると本格化しました。20151228日、「日韓慰安婦合意」で日本大使館前の少女像の撤去を要求し、「第3国」の少女像の撤去努力を韓国政府に要求したのもその延長線上にあります。アルゼンチンのブエノスアイレスに少女像を設置する動きがあると、国際通貨基金(IMF)の支援中断、経済協力中断、ユネスコ登録妨害などで圧力をかけ、最終的に少女像設置を中止させたことがあります。独カッセル州立大学に総学生会が設置した少女像が、「強制動員3者弁済案」発表と同じ20233月に奇襲的に撤去されたのも偶然ではありません。

 



ベルリンの少女像も、設置直後から日本政府は全面的に撤去圧力をかけてきました。20224月、日本を訪問したドイツのショルツ首相に岸田首相が直接、少女像の撤去を要求したという事実が、その圧力の大きさを端的に証明しています。 それでも当時、ミッテ区議会が「2年延長」許可を出しました。その2年期限切れを控えた今年になって、再びベルリン市長を懐柔したようです。日本のマスコミも日本政府がベルリンの少女像の撤去を要求してきたことを明らかにしています。

 



こんな事態の中、韓国政府は対岸の火事のように見物しています。「民間レベルの活動に韓日政府が関与するのは望ましくない」という口頭コメントだけで、「関与することはない」と後手を組むだけです。

 


その論理に従うなら、市民団体が建てた少女像に露骨かつ組織的に撤去圧力を行使している日本政府に強く抗議すべきです。 ベルリンの少女像撤去に在独日本大使まで介入している事実をなぜ問題提起しないのですか。 市民が攻撃を受け、被害者が侮辱されても、歴史が露骨に破壊されても、主権を脅かされても何の対応もしないのなら、この政府は果たして韓国国民の政府でしょうか。

 



日本政府に警告します。日本政府はいったい何を恐れているのでしょうか。 世界中の市民が日本軍性奴隷制というあなたたちの恐ろしい犯罪行為を記憶することを恐れているのでしょうか。 歴史は消そうとしても消えません。 否定し、歪曲し、消そうとする行為自体が再び歴史に刻まれ、未来世代に大きな羞恥として残るでしょう。 それこそ日本政府が恐れるべきです。

 

韓国政府に警告します。破廉恥な戦犯国・日本政府の代理人となって、歴史消去に同調する行為を直ちに中止してください。ベルリンの少女像をはじめ、世界中の平和の少女像に対する日本政府の攻撃と設置妨害に対し、積極的に抗議し、保護対策を講じてください。そうでなければ、一貫して国民を裏切った政府、屈服外交で歴史的真実に目を背け、民族を裏切った政府としてずっと語り継がれることでしょう。

 

最後に、ドイツ政府に警告します。私たちは、ホロコースト記念碑と財団を設立し、歴史問題の清算に成功したと評価されるドイツで今回の発言が出たことに驚愕を禁じ得ず、ベルリン市長の発言に強い遺憾の意を表明します。ドイツが反人道的犯罪行為に対する認識や反省はおろか、歴史歪曲に躍起になっている戦犯国・日本に倣って退行の道を歩むのか、それとも過去の反省的な歩みを基に平和と人権、脱植民地主義の道で先頭に立つのか。ベルリンの少女像はこれを試すリトマス試験紙になるでしょう。

 

正義記憶連帯は、反人道的な戦争犯罪を反省しないで、否定と歪曲で歴史を隠蔽する帝国主義日本、現在の日本政府の過ちを歴史に深く刻むことを誓います。いかなる弾圧にも屈せず、世界中の市民と連帯し、日本政府がかほどに恐れている少女像を世界各地に建て、守り、歴史正義と平和、女性の人権に向けた道の先頭に立ちます。

 



2024522

正義記憶連帯理事長 李娜榮(イ・ナヨン)



(訳 権龍夫)