ミッテ区庁に圧力として作用する見通し 当局、碑文修正案を提示することに

  イ・グァンビン 入力2020.11.07


ベルリンの平和の少女像を守ってください(ベルリン=聯合ニュース)イ・グァンビン特派員=1013日、ドイツの首都ベルリンで市民らが街頭に設置された「平和の少女像」に対する当局の撤去命令に抗議するため、ミッテ区庁前でデモを行っている。 2020.10.13  lkbin@yna.co.kr


(ベルリン=聯合ニュース)イ・グァンビン特派員=ドイツの首都ベルリンに設置された「平和の少女像」に対する当局の撤去命令をめぐり、地域議会が撤回を要求する決議案を採択した。

 

これを受け、少女像が設置期限の1年間存続する可能性が高まり、永久設置のための議論の足がかりを築いた。

 

ベルリン市ミッテ区議会は5日、全体会議を開き、少女像が予定通り存置されるべきだという内容の決議案を処理した。 少女像の設置期限は来年814日までだ。

 

決議案は海賊党所属区議員が提出した。

 

決議案は「少女像は武力衝突時の女性への性暴力に対する議論に生産的に貢献している」と強調した。

 

票決には37人が出席し、28人が賛成、9人が反対した。

 

ベルリン連立政府参加政党の社会民主党と緑の党、左派党の進歩3党の議員が賛成票を投じた。海賊党議員2人も賛成した。

 

反対票はアンゲラ・メルケル首相が所属するキリスト教民主同盟と企業性向の強い自由民主党、極右政党の「ドイツのための選択肢」(AfD)所属議員など。

 

左派党は、海賊党の決議案からさらに一歩進んで、少女像の永久設置を勧告する内容の案件を出したが、時間の関係上、この日は議論されなかった。

 

今回の決議案は、ミッテ区庁長が所属している緑の党も賛成したという点で、区庁にかなりの圧力として作用する見通しだ。

 

先立って、ミッテ区庁は、日本軍慰安婦被害者を追悼する少女像が国際的な戦争被害女性の人権の問題という点を認め、昨年7月に設置を許可した。

 

少女像は今年9月末、ミッテ地域の通りに設置された。 駅周辺への市民の移動が多い地域である。

 

しかし、設置後、日本側がドイツ政府とベルリン州政府に抗議すると、ミッテ区庁は先月7日、撤去命令を下した。

 

これに対し、ベルリン市民社会が反発し、少女像の設置を主管した地元の市民団体「コリア協議会(Korea  Verband)」が、行政裁判所に撤去命令効力停止仮処分申請を提出すると、ミッテ区が撤去命令を保留し、一歩引いた状況だ。

 

ミッテ区は日本側とコリア協議会の立場を反映し「調和のとれた解決策を模索する」と説明した。

 

ミッテ区庁は現在、少女像の碑文の修正を提案している。ミッテ区庁は当初、撤去命令を下し、碑文の内容が韓国側の立場で日本を狙っているという理由を挙げていた。

 

碑文には第2次世界大戦当時、日本軍がアジア・太平洋全域で女性を性的奴隷として強制的に連れて行き、このような戦争犯罪の再発を防ぐためのキャンペーンを繰り広げる生存者らの勇気に敬意を表するという短い説明が含まれている。

 

ミッテ区庁は、その後「性奴隷」表現について問題を提起したが、コリア協議会側が日本軍慰安婦被害者問題についての欧州議会決議案にも何度か使用された正当な表現だと説明すると、引き下がったものと伝えられた。

 

少女像の永久設置を主張した左派党側も、戦時の女性への性暴力に対する普遍的な内容を追加する必要性を提起した状況だ。

 

ミッテ区庁はその後、まだ具体的な碑文修正案を出していない。

 

コリア協議会のハン・ジョンファ代表は6日「地域議会ではまだ永久設置に対する合意がなされていないが、かなり進展した」とし「当局と政党を相手に説得作業を続ける」と述べた。


(訳:Kitamura Megumi)


<原文>

https://news.v.daum.net/v/AQ4Iv4VJb1