オーストラリアの人権運動家、故ジャン・ラフ・オハーン記念日制定決議案の投票が霧散
2020.11.18
チョン・ヨンミン(zacsparrow) 登録 2020.11.18
- 8月6日、自由党、労働党、緑の党の共同発議でニューサウスウェールズ州議会に「8月19日、ジャン・ラフ・オハーン記念日」制定決議案発議
- 10月末に予想されていた決議案の議会投票が不発
- ジャン・ラフ・オハーン追悼式準備委員会
去る8月6日、オーストラリアの主要政党である自由党、労働党、緑の党の国会議員たちがニューサウスウェールズ(New South Wales)州議会にオーストラリアでは唯一の日本軍性奴隷制サバイバーであり、女性人権運動家だった故ジャン・ラフ・オハーン(Jan Ruff O'Herne、1923~2019)さんの命日である8月19日を州政府の「ジャン・ラフ・オハーン記念日」に制定するよう要請する決議案を共同で発議したが、結局、決議案の可決のための議会の賛否投票を経ないまま終了された。
今回の「ジャン・ラフ・オハーン記念日」制定決議案は、労働党の予備内閣女性部長官トリッシュ・ドイル、ニュータウン市国会議員で緑の党のジェニー・レオン、ライド市国会議員兼顧客サービス大臣ビクター・ドミネロ3議員が共同で発議した。
3議員は、決議案を通じてニューサウスウェールズ州議会にジャン・ラフ・オハーンさんが生前、女性の人権と尊厳を増進することに大きく貢献した点と、日本軍「慰安婦」被害者の名誉と人権を回復しようと建てられたシドニー平和の少女像の重要性を認めることを求めた。 しかし、10月末までに同決議案に対する議会賛否投票が行われるという予想に反し、投票は果たせず、結局7日付で決議期間が満了した。
▲ニューサウスウェールズ州議会で発議された「ジャン・ラフ・オハーン記念日」制定推進決議案の写真 ©︎シドニー平和の少女像実践推進委員会
該当決議案がニューサウスウェールズ州議会の投票を経ないまま検討期間が満了したことについて、ジャン ・ラフ・オハーン追悼式準備委員会は、決議案の共同発議者である自由党のビクター・ドミネロ、労働党のトリッシュ・ドイル、労働党のジェニー・レオンセ議員の事務所を通じて公式的な立場表明と追加的な説明を重ねて要請したが、残念ながら11月18日現在まで何の回答もなかった。
ジャン・ラフ・オハーン追悼式の準備委員会は、今回のニューサウスウェールズ州議会「ジャン・ラフ・オハーン記念日」制定推進が実現されなかった過程とこれに対する議員たちの十分な立場表明がなかったことに対して遺憾ではあるが、日本軍性奴隷制の被害事実を勇気をもって証言することで、オーストラリア社会に人権と平和の価値を広く知らせたオハーンさんの貢献と生前の意思を継続して市民たちとともに称えるだろう。
来たる12月6日、オーストラリア地域、日本軍性奴隷制問題活動家、関連研究者、関心を持っている市民たちが映像会議サービス、ズーム(Zoom)でオーストラリアの活動家ネットワーク・ミーティングを開催して今後のことや連帯策を模索する予定だ。
(訳 Kitamura Megumi)
注:ジャン・ラフ・オーハンさん:オランダ人。オランダ植民地下のインドネシアで太平洋戦中1944年2月におきたスマラン事件の被害者の一人。オーストラリアに在住していた。
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