〈報告〉戦時性暴力問題連絡協議会 第98回水曜行動 in 新宿 沖縄・基地軍隊による性暴力を許さない 芦澤礼子
わたしたち「沖縄・基地軍隊による性暴力を許さない関東の会」は、2016年4月19日に沖縄・うるま市で起こった元米海兵隊の米軍軍属の男に20歳の女性が拉致され、性暴力を受け、殺害された事件に衝撃を受け、2017年から「基地・軍隊はいらない4•29集会実行委員会 」として毎年4月29日前後に集会やスタンディングを行うのと並行して、外務省への要請行動、学習会などを開催してきました。2025年からは現在の名称で活動しています。
私個人としては2002年に横須賀で米兵の性暴力被害に遭い、その後裁判闘争を経て日米地位協定の改定や性暴力被害者の救済に尽力しているキャサリン・ジェーン・フィッシャーさん(オーストラリア人)をずっと支援し続けています。
先日2026年4月21日、「沖縄・基地軍隊による性暴力を許さない関東の会」は外務省前で抗議要請活動を行い、70人ほどが声を上げました。そのときに外務省に手交した要請文を、ここで読み上げます。
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2026年4月21日
茂木敏充 外務大臣
抗議要請文
東京都千代田区三崎町3-3-1 TKiビル3F
沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック気付
沖縄・基地軍隊による性暴力を許さない関東の会
沖縄では、沖縄戦から現在までに1000件以上もの米兵による性暴力事件が明らかにされている。記憶に新しい2023年から現在までに報じられた事件だけでも14件の性暴力事件が起き、そのうち10件が不起訴にされた。だが、それも氷山の一角だという事実を忘れてはならない。
2023年12月の少女誘拐暴行事件は外務省と政府官邸により半年間も隠蔽されていた。米兵犯罪の通報制度は住民を守るための必要不可欠なシステムであり、事件を隠蔽したということは住民を危険な状況に置いたまま、加害者である米軍を守ったという許しがたいことだ。
2024年9月の政府交渉の場で外務省は、「再発防止策の実施と事件・事故防止の徹底を米側に求める」と繰り返したが、米軍発表の再発防止策の実効性を日本側が検証する仕組みさえ作られていない。さらに、「米軍とは毎日のように協議をしている」と繰り返していたが、沖縄では米軍犯罪が減るどころか増加し、刑法摘発件数はこの30年で2番目に多いと言われている。これは、外務省による米軍への働きかけが無に等しく、沖縄の住民の生命を守るために何もしていないという差別だ。
これまで、事件発生後に犯人の身柄が米軍の保護下に置かれ、日本側の捜査と犯罪への処罰が不十分だったと言わざるを得ない。現在沖縄では日米合同パトロールで米軍による米兵取り締まりがされているが、これでは基地の外で米軍が警察権を行使することになり、沖縄県警が捜査権を奪われて犯人への適正な処罰がいっそう困難なものにされてしまう。過去には米軍が犯人を日本側に無断で帰国させて、処罰を免れた米兵もいた。沖縄では罪を犯した米兵が野放しにされ、住民の安全が保障されていない。理不尽な日米地位協定を改訂しなければ、どこよりも米軍による被害を受けてきた沖縄の人たちは、今後も米軍という危険にさらされ続けることになる。
2026年2月28日にアメリカはイランに武力攻撃を仕掛けて、3月13 日に在沖海兵隊のイラン派兵を始めた。ベトナム戦争やイラク戦争の時のように、米軍基地の集中する沖縄で米兵による犯罪増加が懸念される。これは喫緊の問題である。米兵による性犯罪を防ぎ、沖縄住民の生命を守るためには、まず沖縄からのイラン派兵を中止させ、停戦を求めるべきだ。そして、沖縄から米兵による性暴力事件をなくすには、即座に全基地を撤去するしかない。
以上のことから、私たちは次のことについて外務省に対して文書で回答を求める。
1.2023年12月の事件以降も米軍による性犯罪事件が続発している。米軍との協議の場で米兵犯罪の防止策について協議をしているのか。
2.米軍による再発防止策が機能していないことについて米軍に抗議をしているのか。
3.日米地位協定により命と生活を脅かされているのが沖縄の人々である。その状況に鑑みて地位協定改定をすべきではないのか。
回答は5月15日(金)までに提出することを求めます。
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外務省からは、5月12日に回答がきました。続いて読み上げます。
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抗議要請文への回答
令和8年5月
外務省
1.2023年12月の事件以降も米軍による性犯罪事件が続発している。米軍との協議の場で米兵犯罪の防止策について抗議をしているのか。
2.米軍による再発防止策が機能していないことについて米軍に抗議をしているのか。
(答)
●米軍関係者による事件・事故は地元の皆様に大きな不安を与えるものであり、あってはならないものです。
●米側は、2024年7月、再発防止策として、
・米軍施設出入りの際の飲酒運転検問の強化、
・米憲兵隊によるパトロール強化、
・研修・教育の強化、
・リバティー制度の見直し、
・在日米軍、日本政府、沖縄県庁及び地元住民との協力のための新しいフォーラムの創設 等
を発表し、それらが着実に実施されているものと承知しています。
●重要なことは、これまでに米側が発表した一連の再発防止策が実際に事件・事故の再発防止につながることです。米側に対しては、あらゆるレベルで事件・事故の再発防止を含む地元の負担軽減を求めており、引き続き、在日米軍の綱紀粛正と再発防止の徹底を働きかけてまいります。
3.日米地位協定により命と生活を脅かされているのが沖縄の人々である。その状況に鑑みて地位協定改定をすべきではないのか。
(答)
●沖縄県内には、全国の約70%の在日米軍専用施設・区域が集中しており、沖縄県民の皆様に大きな基地負担を担っていただいていることを重く受け止めています。沖縄の基地負担の軽減は、政府の最重要課題の一つです。
●外務省としては、沖縄を始めとする地元の負担軽減に全力で取り組んできております。在日米軍再編、米軍の運用や日米地位協定をめぐる課題について、関係省庁とも連携し、一つ一つ前に進めてきております。
●日米地位協定については、これまで、手当てすべき事項や事案の性格に応じて、効果的かつ機敏に対応できる最も適切な取組を通じ、一つ一つ、具体的な問題に対応してまいりました。引き続きこのような取組を積み上げることにより、日米地位協定の在り方を不断に検討してまいります。
(了)
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いかにも「これだけ色々やってます」とでも言いたげな回答ですが「ホントかね!?」と思わず言ってしまいます。
もし「在日米軍の綱紀粛正と再発防止の徹底を働きかけて」いることに効果があるのなら、なぜ米兵による性犯罪がいまだになくならないのでしょうか?
日米地位協定についても、韓国では2回も改正していますし、フィリピンでは米軍基地を撤退させました。
韓国やフィリピンにできることを、どうして日本はできないのでしょうか?
1995年9月、沖縄で小学生の女の子が3人の米兵にレイプされてから31年が経ちました。あのとき沖縄の民衆は85000人の大規模な県民大会を開き、その怒りに恐れをなしたアメリカは1996年「普天間基地の返還」を発表しました。
しかし日米によるSACO(沖縄に関する特別行動委員会)合意では普天間基地返還条件として「沖縄県内で代替施設を建設する」ことが盛り込まれました。それが現在の辺野古基地建設問題につながっています。
3月に辺野古基地建設を海上から見学していた修学旅行中の高校生が転覆事故で亡くなられました。大変痛ましい事件で、ご遺族のお気持ちを思うと胸がつぶれる思いです。それと同時に、SACO合意から30年たつのに、いまだに「世界一危険」と言われている普天間基地が使われ続け、軟弱地盤上でほぼ建設不可能な辺野古新基地が作られ続けているのか、私たちは問い続けなければならないと思います。
5月15日は沖縄「復帰」の日でした。1972年のあのとき、沖縄の皆さんは日本国憲法のもとで沖縄の米軍基地はなくなると期待しました。しかし今でも日本全国の在日米軍基地の70%は沖縄にあります。
そして6月23日がやってきます。81年前の沖縄戦では凄惨な地上戦で県民の4人に1人が亡くなりました。その延長線上に、いまの沖縄の状況があります。このことを強く訴えて、私の話を終わりにします。
ご清聴ありがとうございました。
(沖縄・基地軍隊による性暴力を許さない関東の会)
