2022年も違いなく歴史の1ページとして残ることになりました。

加重される日常の苦痛と虚しく先延ばしされる正義の時間を後にしながら、今年最後の水曜デモのために平和路に立ちました。

今年も3人の方の韓国人被害者がこの世を去りました。あれほど望んでいた日本政府の公式謝罪と法的賠償、事実認定と再発防止の約束を受けられないまま天国に行かれました。再度亡くなられた被害者の冥福を祈ります。

 


振り返ると昨年も本当に困難な1年でした。

キャンドル革命の精神が根こそぎ引き抜かれてズタズタにされ、政治・経済・社会・安保・歴史すべての面で逆走行する政府が誕生しました。

韓日関係改善の名分のもとに「2015韓日政府間慰安婦合意順守」が韓国政府の公式的立場になり、強制動員被害者たちには加害者日本企業でない韓国企業のお金で補償金を支給する案が進められています。

韓半島は最悪の戦争恐怖に包まれ、民生経済は破綻し、労組と言論、市民団体は敵と規定されて弾圧の対象になっています。そして遂には歳月号(セウォルホ)惨事以降最大の人命被害が起きた10.29梨泰院(イテウォン)圧死惨事が発生しました。

 



 そしてこの1228日は、奇襲的に行われた「韓日外交部長官記者会見」7年目になります。私たちは被害者が排除され、市民たちが無視されたまま進められた外交的合意の惨澹さを記憶しています。

適当な距離感と整えられた婉曲表現で、被害者たちの声がかき消される現象を目撃しました。筆舌に尽くし難い戦争犯罪が「最終的・不可逆的に」隠蔽されるのを望む加害者に、全世界の平和碑設置を全方位的に妨害する権利、被害者が日本軍性奴隷制問題を国際社会で言及することすら禁止する権利を握っている凄惨な現場を記憶します。

これを口実に際限なく拡張された歴史否定と歪曲、被害者に対する侮辱と攻撃を私たちは痛ましく経験しなければなりませんでした。完全に失敗した合意をデタラメとウソでミスリードして、丹念に積み重ねた歴史真実を切り崩そうとする行いを、辛うじて耐えなければいけませんでした。幾ばくかの金ですべてのことが終わったと錯覚する人たち、この人たちと野合した者たちの屈辱的な振舞いは現在進行形です。

 



 残忍だった1年を終える本日、苦痛と挫折の中に遂に立ち上がる真実を語り、正義を要求していた被害者たちの勇気と熱意を再び記憶します。

最初にはなかった道をつけ、その道が消えたり曖昧になったら再度新しく造り、堂々と先頭に立って歩んでいた人たちを記憶します。

自らを癒し、他人を労わってむしろ辛がっていた私たちを抱きしめてくれたこの人たちの暖かさと愛を記憶します。小さな悦びと大きな悲しみに、共に笑い共に泣いた日々を記憶します。

 



 おかげで私たちの憤怒は他人への無慈悲な攻撃ではなく、新しい希望を育む誘い水になり、はかなく見えた私たちの希望は次世代に引き継がれた拠り所になっています。

 



 この道を共に歩んできた沢山の市民たちに感謝します。天から私たちを見守ってくれる被害者たちと先輩たちにも衷心から感謝します。いま冷たいこの地で息づいて、足を踏んで立っている私たちはどんな妨害と攻撃にも屈しないで生命の連帯、記憶の連帯、平和の連帯、愛の連帯を再度堅固に建てることを約束します。

 



20221228

正義記憶連帯 理事長 李娜榮(イ・ナヨン)



(訳 権龍夫)