〈街頭行動での発言〉水曜行動(2022.12.21)in 新宿で杉田水脈政務官の更迭を求める




 12月10日で国会は閉会になりましたが、今回は杉田水脈議員の様々な差別・ヘイトスピーチについて、参議院予算委員会で厳しい追及がありました。問題の発端は杉田議員のブログの内容でした。



2016年に国連女性差別撤廃委員会に参加したマイノリティー女性に対して、「チマチョゴリや民族衣装を小汚い格好」などと侮蔑し、「同じ空気を吸うだけでも気分が悪い」などと書き連ねていたのです。


また2018年の月間誌新潮に「LGBTQは生産性がない」と発言していて、今国会でその発言の撤回と謝罪を求められました。松本総務大臣が撤回と謝罪を指示して、杉田議員は、なんと「差別はしていない、つたない表現でそのように伝わったが、とり消したい」と。

そして国会の公の場で謝罪、撤回したので、直接被害者に謝る必要はないと居直った態度に終始しているのです。




そして、松下裕子法務省人権擁護局長は杉田議員のブログ記事をヘイトスピーチとは認めないという態度をとっています。


「言い方が悪く」て誰かを「傷つけたかもしれない」として処理しようとしています。


これらは日本国憲法の基本的人権の保障、日本が加盟する人種差別撤廃条約、自由権規約が定める差別先導の禁止など、さまざまな遵守義務を法務省自らが放棄している態度ではないでしょうか。


杉田議員が差別をあおる言動をくりかえしてきたことを知りながら、総務大臣政務官に任命した岸田首相と自民党政府に責任はないのでしょうか?


 杉田議員の来歴をみますと、この間、選挙は全て、比例区で当選し選挙に勝つために転々と所属の党を渡り歩いて来ました。

2012年には維新の会から出て初当選、

2014年には次世代の党に移って出ましたがこの時は落選してます。この落選している間にジュネーヴにある国連に出かけ、「慰安婦」問題を否定し、被害者を侮辱するリポートを「なでしこアクション」で発行している「なでしこレポート」にとくとくと報告しています。

2017年の衆議院選挙では今度は自民から立候補、当時の安倍首相が比例上位にと強く推したおかげで当選しました。

2021年10月も同じく比例で、通算3回目の当選をはたしました。

そして、この2022年の8月、第2次岸田改造内閣で総務大臣政務官に任命されたのです。



杉田議員の今までの差別発言は言い尽くせないほどたくさんあります。

女性差別や民族差別、障碍者差別などでは、国会で何度も追及を受けています。そのつど、「差別のつもりはなかった」、「寄り添う姿勢がある」と言葉だけの垂れ流しでその場を切り抜けてきました。

しかしまだ繰り返しています。

主な例をあげてみますと

保育所や学童保育は、家庭から子どもを引き離す(「保育所や学童保育はコミンテルンや共産党などの日本を貶めようとする勢力が日本を弱体化させるために仕組んだ施設」。「保育所は子供を家庭から引き離し、洗脳教育を施す施設である」とし、学童保育についても「共産党の陰謀である」とし、保育所と学童保育について普及に反対。」)と反対。

LGBTQは子どもを産まないから生産性がない、税金の無駄遣い、支援するのは被害者ビジネスだ、男女平等は悪、女性差別はない、女性はいくらでもウソをつく、選択的夫婦別姓は夫婦解体につながる、家庭が崩壊する、など、古い家族観を振り回しています。

伊藤詩織さんの事件についても「女としての落ち度がある」とし、侮辱するツイッターの投降に何度も「いいね」を押して拡散。(この件は裁判中です。現在、杉田水脈政務官は高裁で敗訴。なんと最高裁に上告したそうです)。



しかし、総務政務官にまでのぼり詰めた躍進の一番のモトは「慰安婦」問題での発言と行動です。

政府が直接言えないことを先んじてリードして世論形成に寄与し、これが櫻井よし子氏や安倍元総理に見いだされ、異例の躍進のモトになったと言えます。


まず、2013年には、アメリカのカリフォルニア州のグレンデールの慰安婦像の撤去を要求、2014年には中国や韓国などの報道はすべてウソ、100回叫べば真実になってしまうと非難。

河野洋平官房長官談話では謝罪と反省と今後の調査を1993年に発表しましたが、これを見直すべき、河野洋平氏を承認喚問する国民運動を、などと叫んでいます。

また歴史認識を根本から覆す「新しい歴史教科書を作る会」の理事で活躍し、「慰安婦問題」は女性がやったほうが良い、私にそれが託されている、と張り切っているのです。



国連で日本政府に法的責任を求めたクマラスワミ報告に対しては、撤回を要求するなど、2014年から今まで6回も国連に足を運び「慰安婦」の強制連行の否定、性奴隷などいない、被害者20万人はウソなどと繰り返しています。



そして2014年の朝日新聞の「慰安婦」報道の検証で一部訂正の発表をしたときは日本国民の名誉が傷ついたとして朝日新聞を糺す国民会議など組織して訴訟までしています(これは杉田氏敗訴になりましたが)。



 このように、歴史否定、差別発言やその行動には枚挙にいとまもありません。昨年、杉田氏は、ジェンダー研究者らでつくる「公的発言におけるジェンダー差別を許さない会」が行ったインターネット投票でジェンダーでの公的差別発言のワースト1位になりました(2021.3.8)。



今回の国会で重度障害者の天畠大輔氏は杉田議員に「LGBTQなどはこどもを作らないので生産性がない」発言は重度障害を持つ当事者として恐怖を覚える、として撤回と謝罪を求めました。

かつて、「慰安婦」とされた女性たちの悲しみと怒りにも通じるものがあります。


苦しんでいる人をいっそう苦しめる、性犯罪被害者を貶める人が国民を代表する立場にいていいのでしょうか。



 ただちに杉田議員を更迭すること。

傷つけた当事者に杉田議員は直接謝罪すること、

杉田議員のブログで発信しているヘイトスピーチの内容を全て削除すること。

これらがなければ、ほんとうに謝罪したことにはなりません。


直ちに杉田議員の更迭を任命責任者として岸田首相に求めます。


2022年12月21日