〈正義連〉第1559回 日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモ 週間報告(2022.8.31)
明日9月1日はわが国最初の女性人権宣言文である女権通文*が発表された日だ。国権が風前の灯のように揺れ動いた1898年、平等な人間としての権利を叫んで憤然と立ちあがった朝鮮の女性たちは、性平等が国家発展の根幹であり、自主独立の出発点であることを満天下に伝えた。不幸にも、辛うじて蒔かれた種が芽を吹く前に、日帝植民地、戦争、軍事独裁を経ることになったが、枯れも死ぬこともなく根を張ってしっかりと育ち、時には心強い拠り所、時には涼しい木陰になって、その場にいま私たちがいる。
依然として性差別、性搾取、性暴力が蔓延し、日常の安全と平和には程遠い社会だが、しっかりと生き残った先祖たちの精神のように、大韓民国の女性たちは力強く堂々と今日を生き、社会を変えている。このすべてに感謝と決意を表す。
今日私たちは、植民地朝鮮人であり貧しい家の娘であり、単に女性であるため、人間としての最小限の権利も保障されないまま反人倫的暴力に苦しみ、遂に消え去る他なかった数多くの女性たちを再度想起する。戦争が終わるや捨てられ虐殺され、生き残っても死んだも同然の女性たちを想起する。酷い偏見を突いて社会に向かって犯罪事実を告発し、加害者に責任を糺したその勇気を記憶する。
反省して謝罪しないままに被害者を脅しつけて責任を転嫁し、口を封じようとした加害者の歴史を想起する。戦時性暴力、強姦キャンプ、性奴隷という世界が認定した「事実」すら消して歪曲し、否定しようとする者たちを想起する。そんな者たちに付和雷同して被害者を誹謗し、あらゆる悪口で侮辱し、「優雅」な言葉使いで名誉を毀損する人たちを記憶する。植民地・不法強占と戦争犯罪の責任を負わないで、再び戦争国家へ再生しようとする厚かましさ、自国の被害者を保護しないで加害国に頭を下げて関係改善を物乞いする卑屈さ、言葉だけ人権と平和を謳いながら葛藤と反目、差別と嫌悪を放置・利用し、増長する欺瞞と偽善をハッキリと記憶する。
私たちは確認する。
裂かれ、消され、妨害されても、直接見て感じて記録されて継承する記憶のリレーを困難であっても引き継いで行く。攻撃を受けて傷つき、挫け、ケガをしても動揺しないで手を繋いで行く記憶の連帯をもっと大きく、もっと広く築いて行く。たとえ現在この瞬間に、私たちが待見えない正義だが、誰かは必ず待見えるという信頼で、女性人権と平和の場である水曜デモを強固に守り抜く。これこそ女権通文の精神を受け継ぐ道であり、解放と平等の価値を共に培った先輩たちを記憶することであり、戦争のない世界を切実に願った日本軍性奴隷制被害者たちを歴史に正しく刻むことだ。
2022年8月31日
正義記憶連帯 理事長 李娜榮(イ・ナヨン)
(訳 権龍夫)
(*)女権通文;1898年9月1日、ソウル北村の両班(ヤンバン)階級の女性が中心になって300名余りの賛同で実現した韓国最初の女性人権宣言。(ko wikipediaより、訳者注)