2020年8月14日、第8回8・14日本軍「慰安婦」メモリアル・デーはオンラインセミナーを金昌禄さん(韓国 慶北大学法学専門大学院)と矢嶋宰さん(韓国 ナヌムの家日本軍「慰安婦」歴史館 国際室長)のお二人を講師にお迎えし、開催しました。

以下、全国行動のアピールです。





      第8回 8・14日本軍「慰安婦」メモリアル・デー

     日本軍「慰安婦」問題をなかったことにはさせない!

            ~正義連バッシングに抗して~



2012年第11回日本軍「慰安婦」問題アジア連帯会議は、金学順さんが名乗り出て公開証言をした8月14日を日本軍「慰安婦」問題メモリアル・デーと定めることを決議しました。

そして、今日私たちは8回目となる8・14メモリアル・デーを特別な思いで迎えています。



この間日本軍「慰安婦」問題解決運動において主導的な役割を果たしてきた正義連(日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯/旧挺対協)および尹美香前代表が5月の李容洙さんの記者会見を機に、日韓のメディアによって激しいバッシングにさらされるという事態が起こりました。保守メディアは正義連と前代表に対する会計疑惑を故意に膨らませて連日報道し続けました。日本のメディアは尹美香前代表の総選挙立候補が伝えられた3月から「反日団体トップの出馬」等と報じ、その後も韓国の不正疑惑報道を垂れ流して、支援団体が被害者を「食い物にした」と決めつけました。韓国ではその後言論仲裁委員会によって記事の削除や訂正が行われたものの、日本ではいまも誤った認識がまかり通っています。



30年前、金学順さんをはじめとする日本軍性奴隷制被害女性たちが半世紀におよぶ沈黙を破り、戦時性暴力を告発した背景には、その声を聴きとろうと立ち上がった女性たちの存在がありました。正義連は各地を回って被害証言を記録し、水曜集会を開催、日本政府および国際社会への訴えなど、あらゆる行動を起こしました。1992年から2018年まで16回にわたって開催された日本軍「慰安婦」問題アジア連帯会議では、各国被害者および支援団体と連携し、女性の人権・平和のための連帯行動を世界に広げてきました。2000年女性国際戦犯法廷が提案されたのもアジア連帯会議の場でした。



正義連は被害者の尊厳回復に重点を置き、被害者が堂々と生きられる社会を目指して、韓国社会の家父長的価値観や構造的暴力にも立ち向かい、サバイバーらの平和人権活動家としての歩みに伴走してきました。過去の歴史を明らかにし、加害国日本の謝罪と賠償を求める運動は、誰も被害者にしない、女性が人間らしく生きられる未来に向けた歩みになりました。



一方で30年という歳月はサバイバーたちにとってあまりにも長く、過酷な時間でした。

李容洙さんの発言は、闘い続けてもなお変わらぬ日本政府の姿勢や社会に対するやりきれなさがともに歩んできた正義連や尹美香前代表に向けられたものといえるでしょう。耐え難かったのは、街頭での訴えや、海外に出かけて証言することでもなく、その証言を日本政府によって繰り返し否定され、結局何も変わらなかったという徒労感ではなかったでしょうか。



最も歴史から学ぶべき当事者であり、加害国である日本政府は歴史を否定し、「日韓合意」で解決済みと幕引きし、各国に建てられた「平和の少女像」や「メモリアル碑」に対しても、外務省や大使館を通じて非難、撤去の圧力を加えています。



私たちは日本の市民として、日本軍性奴隷制被害を告発したサバイバーたちを記憶し、日本政府の責任を問い続けます。そして、いまも続く紛争下での女性に対する暴力、日常における女性に対する差別やあらゆる暴力に対して沈黙せず、ともに声をあげていきましょう。



2020年8月14日

日本軍「慰安婦」問題解決全国行動