●全国で盛り上がった「戦争反対」「平和憲法を守れ」のデモ

アメリカとイスラエルによるイラン攻撃のニュースに揺れる中、独裁者・トランプ大統

領と彼に媚びへつらう武市首相を前にして、「このままでは戦争への道を歩んでいくので

はないか」という危機感から、反戦と憲法改悪反対の動きが始まりました。この1カ月の間

にも新宿、池袋、国会前をはじめ、全国各地で市民の街頭デモがいくつも盛り上がったの

です。私も参加した4月8日の国会議事堂前の街頭行動には3万人が結集しましたが、全国

では137ヵ所で行われ、ネットの視聴者は7万人だったと主催者は発表しました。



「慰安婦」支援団体のメンバーも各地でこの行動を主催したり参加したりしています。


参加者には10代から30代の若い世代が多く、女性が圧倒的でした。それぞれに工夫したプ

ラカードや幟を作って掲げ、リズムに合わせて振ったペンライトがとても綺麗でした。す

ごい人数が集まりましたから道路は身動きができないほどの人で埋まり、その上、警備に

あたった警官隊が道を塞いだり、地下鉄の出入口を閉じたりして実に厄介でした。

これは2015年の安保法制反対デモ以来、10年ぶりの大規模なデモだったといわれています。

しかし、メディアの取り上げ方は様々でした。大手の新聞では大きな記事を載せたり、社説

に書いたところもあり、テレビではTBSの「報道特集」などが頑張ってクローズアップしてい

ました。


問題はNHKです。戦争反対のデモを取り上げはしてもほんのわずかで、ちょろっという程度でした。

この報道姿勢に対しては、4月3日に100人ほどの市民がNHKの西口玄関前に集まって「NHK

デモ報道がんばれアクション」を行いました。私は参加できませんでしたが、後で報告を聴

いたり読んだりしてみると、各自が工夫しながら一生懸命、「NHKはもっと市民の声を聴い

て、取り上げてほしい」「政治をきちっと監視し批判する、というジャーナリズムの基本を忘

れないで」というメッセージを発していたといいます。



●横浜で参加した 訪日した中国各地の民間団体との交流会

このような動きがある中で、「慰安婦」問題関連では3月27日、中国から20人ほどの民

間団体が訪日して外務省交渉をした後、横浜で日本の市民団体との交流会を開きました。

連絡協議会からは3人が参加して、私は「山西省・明らかにする会」の活動を紹介する機

会が与えられました。ところがスピーチは5分以内という短さだったので、これでは絶対

に時間が足りません。そこで、これまで中国山西省で支援してきた性暴力被害者たちの証

言や中国各地で行ってきた性暴力パネル展、2000年の「女性国際戦犯法廷」などの映像記

録をビデオ作品にしたDVDをプレゼントすることにしました。


そうしたところ、中国からのみなさんはすごく喜んでくれました。中には海南島の「慰

安婦」被害者の遺族の女性もいて、感謝されました。そして私の話が終わらないうちに、

私は中国の人たちに囲まれてしまったのです。訪日団のリーダーの人は、「女性法廷の時

、山西省の万愛花さんが証言の途中で昏倒してしまいましたね。あの時、倒れかかった万

さんを支えたのは、中国検事団の一人として壇上にいた私でした」などと言ってくれまし

た。彼らは上海や重慶、香港、大連、長春などの戦争被害者の原告や遺族、活動家、研究

者たちだったので、日本の市民団体が山西省の被害者支援を30年も続けてきたことなどを

あまり知らなかったみたいで、大変感激してくれました。


中国政府の日本軍「慰安婦」問題への対応にはいろいろと気を使わなくてはならないこ

とがあるため、私たちも注意深くお付き合いをしていかなければなりませんが、日本でこ

のような支援活動をしてきたことを伝えられたのはよかったと思っています。



●世界に関心が高まっている 「慰安婦」問題や「女性国際戦犯法廷」

4月に入ってからは、ニューヨークで市民活動家として活動しているフィリピンのイン

ダイ・サホールさんから連絡がありました。彼女は2000年の「女性国際戦犯法廷」の国際

実行委員会の共同代表の一人でした。共同代表は日本の松井やよりさんと韓国の尹貞玉さ

ん、そしてフィリピンのインダイさんの3人がつとめていました。

インダイさんは「女性法廷」から四半世紀が経った今、「女性法廷」からの「慰安婦」問

題の歩みを振り返り、これからの活動を考えるという目的で時の関係者を集めてイベント

を開きたいと計画して、「女性法廷」の記録映像を使わせてほしいというのです。そこで

ビデオ塾から「女性法廷」の記録をまとめたビデオ作品の英語版をデータにして、ニュー

ヨークに送りました。



このところ、戦争への歩みが始まった…という危機感を持った人たちが、日本だけでな

く世界中で動き始めています。そんな中では「女性法廷」や「慰安婦」被害者への支援活

動が改めて注目されるようになり、映像記録の上映や講演の要請がいくつも来るようにな

りました。



しかし、被害女性たちは高齢になってしまい、わずかしか存命者はいなくなっています。

この1カ月の間にも、100歳になったばかりの韓国の被害女性が3月28日に亡くなりました

。慶尚北道の生まれで、16歳の時に連行されて中国牡丹江の慰安所で働かされ、2000年に

帰国して「ナヌムの家」で暮らしていた人だといいます。名前や顔は公表されていません

が、私は何度も「ナヌムの家」を訪ねているので、きっとお目にかかったことがある方だ

と思います。心から お悔やみを申し上げます。



 このような時代に戦争反対と憲法改悪反対のデモは、市民が意思表示をするという基本

的な権利として大事に守られなければならなりません。ご通行中のみなさんの中にも、こ

のような問題に関心を持たれる方も随分いるだろうと思います。先ほども一人の若い女性

と立ち話をしていたのですが、「『慰安婦』問題とはどういうことなのか、知りたい」と言

っていました。やはり、政府が「慰安婦」問題に向き合おうとせず、教科書からも「慰安

婦」記述を削除してきたこともあって、この問題を知らない若い人たちがたくさんいます

。でも私たちにコンタクトして下されば、いろんな形で考えたり語ったりする機会を提供

できるので、是非声をかけて下さい。

今、みなさんに配っているチラシにはメールアドレスやホームページの情報も載せているので見ていただき、是非、ごいっしょに活動できれば…と願っています。