ソウル西部地方裁判所(裁判長:鄭グミョン)124日、韓国挺身隊問題対策協議会(以下:挺対協、現・正義記憶連帯)が柳錫春(リュ・ソッチュン)教授に対して起こした刑事訴訟で、「挺対協が被害者を集めて教育し、虚偽の陳述を強要した」という部分だけ有罪を認め、ほとんどの容疑について無罪を宣告した。

正義記憶連帯は、この反人権的、反歴史的な判決に強い遺憾を表明する。

 


柳錫春教授は2019919日、延世大学の「発展社会学」の講義中に受講生約50人を相手に、「慰安所は日本軍ではなく民間が運営したもの」、「直接的な加害者は日本ではない」、「売春の一種」、「慰安婦は全部ウソ」等の発言で日本軍「慰安婦」の強制性を否定し、被害者を侮辱した。また、これに異議を唱える学生に「気になるなら、(売春を)やって見ては?」とセクハラ発言をし、「挺対協が絡んで」、「お互いの記憶を新たにフォーマットしている」、「挺対協は大韓民国を壊そうとする団体」、「北朝鮮に追従する人々」などの発言で、日本軍「慰安婦」問題の解決のために努力してきた挺対協の名誉を著しく毀損した。

明らかな虚偽事実で真実を歪曲し、世界人権運動史を書き替えてきた日本軍「慰安婦」問題解決運動を時代錯誤的なアカ攻撃で誹謗した。

 



日本軍「慰安婦」問題は、帝国主義日本国が1930年代初めから1945年敗戦時まで、アジア全域に日本軍のための「慰安所」を体系的に設置し、朝鮮半島をはじめとするアジア・太平洋地域の多数の女性を強引に連れ去り、「性奴隷」を強要した反人道的犯罪行為である。

国連など国際社会は1990年代からこの事実を確認し、各種勧告や報告書を提出し、被害者に対する賠償と真相究明などを日本政府に何度も勧告してきた。202211月にも、国連市民的・政治的権利に関する国際規約(CCPR・自由権規約)委員会が、日本軍「慰安婦」問題の解決に進展を見せない日本政府に強い遺憾を表明し、被害者に対する法的賠償と政府レベルの真相究明、加害者処罰、正しい歴史教育などを改めて要求した。このように国際社会が普遍的に認めている日本軍「慰安婦」問題の実体的な真実を、裁判部は否定するのか。 鄭裁判部は日本の裁判部なのか、韓国の裁判部なのか?

 



学問の自由と表現の自由は、人間の尊厳という根本的な価値に優先できない。さらに、大学教授は歴史的真実を追求し、正しい歴史観を持つ未来世代を育てるべき重大な社会的責任を負っている。柳錫春教授は、日本の右翼の典型的な表現と同じ発言で歴史を否定し、被害者に深い傷を負わせた。 また、時代錯誤的な今回の判決は、歴史を否定し歪曲する日本政府と極右の歴史否定勢力の攻撃の中で、再び人権侵害を受けている被害者を無視する反人権的な判決であるだけでなく、大韓民国の歴史を逆転させる反歴史的な判決であり、一般国民の常識にも反する反社会的な判決である。検察は直ちに控訴し、改めて柳錫春教授の罪を問わなければならない。

 



未来世代に正しい歴史意識を伝え、弱者に対するヘイトの拡散を防ぐためにも、日本軍「慰安婦」被害事実の否定と歪曲、被害者に対する人権侵害及び名誉毀損、虚偽事実の流布行為は強く禁止されるべきである。正義記憶連帯は、このために日本軍「慰安婦」被害者保護法改正のための活動をより強力に展開する。

 




2024124

日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯



(訳 権龍夫)