(尹美香氏裁判2022年6月20日第14回公判) 「吉元玉(キル・ウォノク)ハルモニ、寄付行為を正確に理解していた」、「正義連後援金の流用疑惑」公判に「金福童(キム・ポクトン)の希望」運営委員出席...検察の「準詐欺」主張に反論
2022年6月21日 金ウンギョン記者
▲ 正義記憶連帯後援金の流用容疑などで起訴された無所属の尹美香(ユン・ミヒャン)・国会議員が昨年8月11日午後、初公判が開かれるソウル西部地法刑事合議11部法廷へ向かっている。©聯合ニュース
日本軍性奴隷被害者の吉元玉ハルモニの寄付行為が「本人の意思によるもので、その内容について正確に理解していた」との陳述があった。尹美香議員が認知症の「吉元玉ハルモニを騙して寄付金を誘導した」という検察側主張に反する陳述だ。
ソウル西部地方法院 刑事合議11部(部長判事 文ビョンチャン)は6月20日、尹議員らの正義記憶連帯(正義連)後援金流用事件第14回公判を開いた。
この公判には前職記者で、非営利民間団体「金福童の希望」運営委員のAさんが証人として出廷した。1999年韓国挺身隊問題協議会(挺対協、正義連の前身)志願活動を始めたAさんは、2000年から吉元玉ハルモニを近くでみてきた。
この日Aさんは、『吉元玉ハルモニは「金福童の希望」に寄付したすべての行為を正確に知っており、寄付はハルモニの意志によるものだ』と陳述した。
吉元玉ハルモニは2018年10月、在日朝鮮学校の生徒たちのための奨学金、台風被害支援金、2020年吉元玉奨学金、金福童センター後援金などを「金福童の希望」に寄付したものと知られたが、Aさんもこれに言及した。
Aさんは、「吉元玉ハルモニはキリスト教信者としての使命があった。『苦しむ人があれば、誰かがその人を援ければすぐに立ち上がる」といつもおっしゃった』、『吉ハルモニはコツコツと寄付活動をなさった。「金福童の希望」運営委員会で、その寄付金が何のお金なのかハルモニに確認してから受取った』と述べた。
続けて、『吉ハルモニは「金福童の希望」名誉会長として運営委員会に毎回参席し、会議があればそれを知らせた。吉ハルモニは会議中に会議資料を注意深く見て、「金福童の希望」の構成も尋ね、論議内容について意見を求めたら答弁もされていた』と強調した。
公判では吉元玉ハルモニが「金福童の希望」運営委員会に参席して、会議資料を見ている写真2枚が公開された。
また吉元玉ハルモニが、「自分の意志で日本軍性奴隷制問題解決運動に立ちあがった」というAさんの証言が続いた。
Aさんは、「吉元玉ハルモニは普通のハルモニたちと同様、自分の意志をハッキリと示された。天候が寒かったり雨の日など、周りの人が水曜デモ参加を引き留めても、『私が発言しなければいけない』と参加を敢てなさった」、「吉ハルモニは、当事者である自分が声をあげなければ解決されないと考えておられた。声をあげれば人々が連帯するという信念があった。問題解決の意思が強い方だ」と強調した。
またAさんは記者時代、吉元玉ハルモニの取材をしたことに触れ、「明確に自分の意志をハッキリと述べていた。記者として質問した時、質問内容を正確に理解して答えたので、健康だと感じた」と証言した。
検察は、「オシメを付けるほどに健康は良くなかった」と反論した。これにAさんは、「オシメは付けなかった。トイレに直接行かれた。2000年以降からずっと見て来たが、志願活動家として時々シムト(ハルモニたちが共同で暮らした家、シェルター)で寝る時もあったが、夜中に横のトイレに直接言って用を済ませるのを見た』と反駁した。
〈挺対協口座番号記事掲載は記者の良心によるもの〉
この日の公判で挺対協関連の「寄付金品法違反疑惑」も扱われたが、Aさんが記者時代に書いた挺対協の記事に関して攻防が続いた。
検察は、「挺対協の依頼を受けたのか」、「寄付金品法違反事実を知らないのか」と追及した。Aさんは、『記者がすべきことは、挺対協がどう活動が行われているのか正確に伝えることではないか。そして国民が賛同して欲しいとの考えで口座番号を記載した。記者の良心に従って取材した』と発言した。
続けて、「挺対協のような場合、どんな活動をしたのかSNSに毎日載せてホームページにも上げるので、事業がきちんと進んでいることが十分に分かった。挺対協活動は一時的な事業ではなく、問題解決のための連続性を持った事業だから、今後の事業がどう向かうのか取材・報道した」と付言した。
この日に提出された証拠の中には、Aさんが書いた記事以外に、他の報道社の活動関連の口座番号が記載された記事が提出された。これについても、「記者たちの判断によって書かれたものだ。私は挺対協以外にも他団体の活動を報道し、正当な活動で市民たちが参加すべき事業と思ったらその団体の口座番号を記載した」と述べた。
検察は、「故・孫英美(ソン・ヨンミ)所長がどのように死亡したのか知っているか」と言う質問をして、傍聴席の顰蹙を買った。Aさんが「検察の押収捜索で孫英美所長が苦しんだ」との趣旨で答えるや検察は、「押収捜索を直接見たのか」、「孫英美所長が検察のために苦しんだと直接聞いたのか」と反問し、一線を画す態度を見せた。
(訳 権龍夫)
■次回、第15回公判は7月1日に開かれる。→15日に延期になりました。
〈原文〉
윤미향 14차 공판 "길원옥 할머니, 기부행위 정확히 알았다" - 오마이뉴스 (ohmynews.com)