キム・ギョンヨン オーマイニュース (21.1.5) 

 


「賢明なる裁判長さま、私は伏して涙で訴えます。この裁判に必ず勝って名誉を回復しなければなりません。日本は被害者がひとりでも生きている間に心から謝罪しなければなりません」



 

5日午後、YouTubeに登場した日本軍「慰安婦」被害者の李容洙さん(92)は、こみ上げる感情に嗚咽しながら語った。


李ジェジョン・ともに民主党議員主催で開かれた「日本軍『慰安婦』訴訟の意味と課題」オンライン緊急討論。今月8日と13日にそれぞれ開かれる損害賠償請求訴訟の一審判決を前に「訴訟闘争」の意味と課題を探る場だった。

 

2013年、日本政府に慰謝料として1億ウォンずつ請求する調停を起こしたが、日本政府は、訴状送達自体を拒否し、「慰安婦」被害者らが正式に裁判を提起し、75ヶ月にわたる闘争が続いている。


法曹界と学会関係者ら多数パネル方式で参加した討論会には、日本軍「慰安婦」訴訟弁護団所属の山本晴太弁護士も出席し、注目を集めた。



「重大な人権侵害事件は『国家免除』を適用してはならない」

 

この日、参加者は、主に被告人である日本政府側の主な論理である「国家免除」の虚構性を指摘し、裁判所に賢明な判断を下すよう注文した。日本政府は国際法上、「裁判所は外国国家に対する訴訟について裁くことができない」という論理で、訴訟を徹底して無視した。
梁ソンウ弁護士(韓国訴訟代理人団)は「慰安婦問題のような重大な人権侵害の場合に国家免除を適用するのは妥当ではない」として「裁判所は国家免除を否認し、被告の日本国に対して法的責任を厳重に問うべきである」と主張した。また、「そうした裁判所の判決だけが、今も継続する戦争犯罪、特に女性や児童に対する残虐な性犯罪の連鎖を断ち切り、真に法の役割を果たすことができる」と語った。

梁弁護士は特に「この場合の国家免除法理の適用は、私たちの憲法秩序と相容れない」とし、「慰安婦被害者が人間の尊厳を回復し、賠償請求権を実現するための最後の手段として選択したこの訴訟が、最終的に日本国家に対して何の法的責任も問うことができないまま終了したとしたら、憲法で保障された『人間の尊厳と価値(10)』および『裁判請求権(27)』を著しく侵害することになるためだと主張した。


白ボムソク慶熙大教授は「すでに19世紀初頭から、ほとんどの国が制限的な主権免除論を適用し、主権免除の例外を次第に拡大し、認定してきた」とし、「被害者救済を実現するための他の形態の紛争解決手段がこれ以上残っていない、例外的な状況の場合にも(主権免除論理)裁判は受ける権利を認めないのが果たして正しいのかに対しては懐疑的」だと主張した。

 

続いて「国内裁判所の判決が、今日国際社会が追求する国際人権規範形成の出発点となることを心から願う」と注文した。



日本側の「慰安婦」訴訟弁護団の山本晴太弁護士は、国際司法裁判所(ICJ)のアブドゥルカウィ・アハメド・ユスフ判事の言葉を例に挙げ、「国家免除はあたかもスイスチーズのように抜け穴だらけ」という言葉を例に国家免除の限界を指摘した。



彼は「国際人道法や国際人権法に対する重大な違反、強硬規範、国内裁判が最後の救済手段、加害国家が責任を認めていないなどの場合、国家免罪の例外が適用される」と語った。



李娜榮正義記憶連帯理事長(中央大学教授)は、30年にわたる「慰安婦」訴訟の歴史を振り返り、「加害者が歴史を否定し、歪曲し、被害者を非難する中で、法的責任糾明運動は被害者の名誉回復と人権を保護するための日本軍「慰安婦」問題解決運動の重要な軸である」と規定した。

李理事長は「1991年の金学順ハルモニの最初の証言以降、生存被害者はもちろん、歴史を正すために命を捧げ、亡くなられた数多くの犠牲者や活動家の「悔しくて」「切迫した心情」に深く共感する公正な判決が下されることを期待する」と語った。

 

「韓日関係を破綻させたというのが実体に見合った表現」

 

金昌禄慶北大教授は日本と韓国両国政府の態度に対して強く批判した。

金教授は最近「韓国裁判所の原告勝訴判決が宣告されれば韓日関係が破綻する」という声が両国から出ていると慨嘆し、「日本政府が判決に従えば韓日関係が破綻する理由はない。韓日関係が歴史上最悪だと呼ばれるようになったことは日本政府の歴史上最悪の歴史認識のせいだ」と主張した。また「韓日関係が破綻する」というのは適切な表現ではなく、『韓日関係を破綻させてしまう』が実体に見合う適切な表現」と説明した。


 

金教授は続けて「日本政府が『韓国大法院徴用工判決は国際法違反』という反法的な主張を繰り返していることにも韓国政府が『国際法違反ではない』と反論せず、『大法院強制動員判決により日本企業は損害賠償をしなければならない』と主張しない」と政府の低姿勢を皮肉った。彼はまた「『韓国が立ち上がって何かをしてみようとするときに、これはどうか、あれはどうか』として苦しい言動を継続するのは決して司法部の判断を尊重する態度ではないのみならず、主権国家の基本にも背く態度だ」と叱咤した。

 

梁弁護士も「2015年『合意』にもかかわらず、日本政府は痛切な謝罪と反省という趣旨とは違い、海外の少女像撤去に外交的努力を集中しており、これ以上「慰安婦」合意破棄や再協議を要求しない韓国政府は相当部分で当事者性を担保できずにいる」として両国政府を批判した。


(訳:方清子)


<原文>

http://www.ohmynews.com/NWS_Web/View/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0002708711