歴史を無視して、戦争への道を歩む?

ご通行中のみなさん、こんにちは。

明後日の619日は国連の「紛争下における性暴力根絶のための国際デー」です。


このような記念すべき日を迎えるにあたっても、日本政府が「戦争ににじり寄っている」というか、「戦争ができる国にしていこう」という動きを見せていることに大きな危機感を抱いています。軍事費の巨額な増大や武器輸出の解禁が行われ、国家情報会議の設置・・・これなどはスパイ防止法とつながり、戦前の治安維持法のようなものです。



平和憲法を守って平和主義を貫こう・・・という戦後のスタートからの日本の路線を大きく逸脱して、平和主義を放棄するのではないか・・・という恐れを感じています。



68日には東京高等裁判所で、安保法制違憲訴訟の控訴審判決が出ました。これを提訴した「安保法制違憲訴訟・女の会」にはここにいる何人もが原告になっていますが、残念なことに控訴は棄却されてしまいました。これから上告することになりますが、このような司法の場でも日本の危機的な状況が浮き彫りになっているのです。かつての戦争で、日本軍の侵略を受けたアジアの国々や市民にとっては、受け入れることができないはずです。



ですから高市首相が韓国やフィリピンの首脳たちと会談を行った時には、それぞれの国の市民団体などからは批判や抗議の声があがりました。519日に行われた日韓首脳会談に対しては、韓国で長年「慰安婦」支援活動をしてきた「正義連」から批判の声明が出ました。



「首脳会談では、未解決の日本軍「慰安婦」問題も強制動員の問題についても論じていない。歴史正義を無視して安保軍事協力のみが強調されている。日本の軍事大国化を見過ごしているような状況が深刻だ」と語っているのです。



また528日にはフィリピンの大統領と高市首相の首脳会談が行われましたが、これに対してはフィリピンで「慰安婦」支援をずっと行なってきたリラ・ピリピーナ代表のシャロンさんが、「これは防衛協力強化の内容だ。こんなことでいいのか」と批判を述べています。



 このように、アジア諸国にとって日本政府がかつての戦争責任や植民地支配責任を取ろうとしないし語りもしないということ、「慰安婦」問題に関しては、事実認定も謝罪や賠償、記録を後世に伝えていくという問題についても、全てなかったことにしよう・・・という姿勢そのものが危険だと言っているのです。


国連の国際機関でも、各国の議会でも・・・アジアだけでなく欧米の国々でも日本への勧告や意見が出されてきたのに、日本政府は一向に変わりません。日本政府がそのような立場をとり続けることことによって、メディアが自粛して「慰安婦」問題を取り上げず、タブーにしてしまっている・・・という問題があります。


そして教育の現場でも「慰安婦」問題がきちんと教えられていません。教科書に載せず、先生が授業で取り上げると批判されています。日本は今、こんな困った状況に陥っていることを、みなさんも理解してほしいと思います。

 


  「慰安婦」支援活動を通してつながる 加害国と被害国の女性たち

 私たちは各国の「慰安婦」被害者への支援活動を30年以上も続けてきました。ところがこの1カ月を振り返ると、共に活動をしてきた仲間の訃報が相次いだので、悲しくてなりません。


63日にはフィリピンの被害女性(ロラ)たちを支援してきた柴崎温子さんが89歳で亡くなりました。

柴崎さんはロラたちと親しく交流をしてきて、私たちの連帯行動にも積極的に参加されて、よく写真を撮って大事な記録を残してくれました。

小柄でにぎやかで明るい人でした。フィリピンのリラ・ピリピーナ代表のシャロンさんからも、思いのこもった追悼のメッセージが届いています。


 私は中国・山西省の被害者支援を行ってきた「山西省・明らかにする会」の一員ですが、事務局メンバーの一人、小林千春さんが67歳という若さで、この123日に亡くなり、追悼の集いを613日に東京で行いました。

この時には小林さんと親しく交流してきた山西省の被害女性=大娘(ダーニャン)の娘さんたちから悲しみと感謝の気持ちを伝えるビデオや言葉が寄せられました。私たちが支援してきた大娘たちはすでに全員が亡くなられましたが、その娘さんたちは母の遺志を継いで、この問題にずっと関わって活動しています。

小林さんは40代になってから山西大学に留学して、山西語を学んだ人でした。山西語は難しい方言で、北京語ができてもわからない人がいるくらいですが、小林さんはその山西語をマスターして大娘や娘さんたちと親しくなり、仲良しの友だちのようになって支援活動を続けてきました。



中国政府は、「日本政府への忖度か?」と言われるほどに日本軍「慰安婦」問題に対しては消極的でしたから、大娘たちが日本政府を訴える闘いはなかなか中国社会で理解されにくいところがありました。

でも「明らかにする会」は日本軍の性暴力パネル展を中国各地・7ヵ所で開催して、たくさんの人たちに日本軍の加害と中国の人々の被害を伝えてきました。そんな中で小林さんが、加害国と被害国の市民同士の温かで和やかな交流をもたらしてくれたのは、ほんとうに素晴らしいことだったと思います。そんな小林さんが亡くなられたことを、心からお悔やみいたします。私たちも大娘たちのことを忘れずに、やるべきことがいっぱいありますから、大娘たちの娘さんたちと共にこれからもやり続けていきます。

 


8月14日は「慰安婦」メモリアルデーです。

韓国の金学順さんが1991年8月14日に「私は『慰安婦』被害者だった」と名乗り出たことから、この日には日本各地やアジア各国で様々なイベントを開催することにしています。

私たちも、この記念日には何をしたらいいかを話し合っているところですが、是非皆さんにも加わっていただきたいと追います。日本政府のもとで、「慰安婦」制度をなかったことにしようとする歴史否定の動きが勢いを増しています。しかし、絶対に戦争をさせてはなりません。女性への性暴力が頻発するような戦争を、なくしていかなければなりません。

だから、日本政府を変えていかなければならないのです。私たちの活動に関心を持ってくれた方は、チラシを読んでください。


そして私たちに声をかけてくださるよう 願っています。

大いに語り合いましょう。