本当に呆れ返る世の中です。

 

昨日926日、慶煕大学哲学科の崔ジョンシク教授が学内にポスターを貼り、「慰安婦問題はもともとなかった問題」と強弁しました。 その根拠として、日本の有名な極右歴史修正主義者である西岡力氏の『慰安婦問題の真実』と李栄薫(イ・ヨンフン)教授の『反日民族主義』を挙げました。崔教授はまた、大韓帝国滅亡の原因を高宗(コ・ジョン)ではなく、李完用(イ・ワニョン)など「乙巳五賊」に帰したのは「誤った判断」と述べ、このために「韓国の独立運動史が大きく歪められた」とも主張しました。 植民地史観克服という韓国歴史学者の歴史観」のせいだと非難しました。

 


知性の殿堂である大学で歪んだ歴史観を堂々と説くだけでなく、自己弁護のためのポスターを教授が自ら作成して貼り付けたというのは、恥ずかしく、悲惨なことです。 韓国社会がどうしてこのような状態になったのでしょうか。

 


実はこの1年半ほどを振り返ってみると、今回の事件は予見されていたのかも知れません。植民地史観に基づく与党高官の相次ぐ「暴言」に続き、大統領の光復節記念辞まで日本に対する責任追及はありませんでした。

むしろ、戦争犯罪の加害者である日本政府や日本企業に免罪符を与え、被害者を侮辱し、民主主義と平和を守ろうとする市民を反国家勢力と罵倒し、弾圧しようとする意図を明らかにしてきました。 国連人権理事会でも韓国政府の代表は、日本政府が十分に謝罪した、「2015日韓合意」で全て終わったというような発言をし、韓国の被害者ではなく日本政府を代弁しました。ブラックリスト大臣が再びその場に指名され、中絶罪を擁護して女性を非難する者が女性家族部長官に指名され、「李完用は売国奴だが仕方ない側面がある」、「大韓帝国が存続したからといって、日本より幸せだったと私たちが確信できるのか」と言った者が国防部長官に指名されました。 彼は朴正煕と全斗煥の軍事クーデターを擁護した人物でもあります。到底一般的な常識では納得できない人事が相次いでいます。

 


結局、民主的憲政秩序を否定する認識と発言が政権の最高位から当然視される世の中になると、これまで息を潜めていた者たちが一斉に自己顕示に乗り出したのではないでしょうか。 日本の極右と同一視できる「精神的日本人」が権力の表舞台に立ち、日本による韓半島の違法強占、強制動員、性奴隷制、民間人虐殺をすべて歴史に葬り去ろうとします。

 


しかし、彼らがいくら隠したり、消そうとしても、私たちは知っています。

日本軍「慰安婦」問題は日帝によって行われた組織的で体系的な性搾取、性奴隷制度であり、朝鮮半島だけでなく、日本軍の占領地や戦闘地であったアジア・太平洋の数え切れないほど多くの地域の女性と子どもたちが日本軍による監禁、強姦、集団強姦、物理的暴力、強制中絶、強制投薬、殺人、集団殺害の被害者になったことを知っています。


韓国、中国、台湾、インドネシア、フィリピン、東ティモール、北朝鮮、オランダなどで被害者たちが自ら立ち上がり、全身で証言し、真実を明らかにするために努力してきたことを私たちは記憶しています。

 


その記憶を私たちの体と心だけでなく、記録として残す作業を熱心に行うことを改めて決意します。全世界の市民が共に歩んできた33余年の歳月もまた、歴史に深く刻み込むことを誓います。日帝が朝鮮半島で悲道な犯罪を犯し、無慈悲に民衆を搾取し、弾圧した時、これに屈せず抵抗した私たちの先祖は暴徒、不逞鮮人、反逆者と罵倒されました。 この政権が私たちを何と呼ぼうとも、私たちは人権、平和、正義を守るために最後まで闘います。

 


2023927

正義記憶連帯 理事長  李娜栄(ナヨン)



(訳 権龍夫)