12月28日、日韓外相は日本軍「慰安婦」問題について会談し、共同記者会見を開いた。その内容についての評価は、本来、被害者がどう受け止めたかによって判断されるべきであるが、私たちは昨年来、政府に、各国の被害者と支援者が集まった「アジア連帯会議」で採択した、解決のための「日本政府への提言」を提案し、日本軍「慰安婦」問題解決のために取り組んできた団体として、日韓外相会談の結果について以下のようにコメントする。

Ⅰ. 今回の協議は終始一貫、被害者不在で進められた。それが本日の結果に如実に表れており、「最終的な解決」にするには、被害者にとってあまりにも課題の多いものとなった。とりわけ安全保障政策を重視する米国の圧力のもとで日韓政府が政治的に妥結し、最終的合意としてしまったことは、50年前の日韓基本条約の制定過程を彷彿とさせ、東アジアが現在もなお、米国の支配下にあることを痛感させるできごとであった。


 日本軍「慰安婦」問題解決全国行動は、被害者が受け入れられる解決策を示すよう日本政府に求める要請書を作成し、12月4日、145団体の賛同を得て、政府に提出しました。合わせて、2014年6月に8カ国の被害者と支援団体が集まって採択した日本政府への提言「日本軍「慰安婦」問題解決のために」を再度手渡しました。

 これは、首脳会談後も「法的には解決済み」としながら「平和の碑」(少女像)の撤去を「前提条件」にするなど、被害者側にとっては受け入れがたい発言を続ける安倍政権に対して
「被害者が受け入れられる案だけが現実的な解決策」であること、そのためには最低限何をしてはならないのか(要請書)、そして何をすべきなのか(提言)を具体的に列記したものです。

 私たちは今回の提出を第1次集約とし、さらに団体だけでなく、個人の賛同も集めて、2月初めに再度、政府に要請書と提言を提出することにしました。

団体各位

  2015年11月2日、日韓両首脳は日本軍「慰安婦」問題の「早期妥結」に合意したとされますが、その後の報道を見ていると、「平和の碑」(少女像)の撤去を「前提条件」にするなど、被害者側にとっては受け入れがたい発言が安倍政権から繰り出されています。
  これではかえって解決は難しくなってしまいます。
  そこで、私たち「日本軍『慰安婦』問題解決全国行動」は、日本政府に対して、被害者が受け入れられる解決策を打ち出すよう求める要請書を作成しました。

  急な要請ですが、是非、私たちの行動に賛同していただけますようお願いします。
  賛同していただける団体は、12月2日(水)までに、以下のアドレスに団体名をお送りください。

日本軍「慰安婦」問題解決全国行動
共同代表 梁澄子 渡辺美奈

連絡先
アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)気付
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-3-18 AVACOビル2F 
Email:i_zenkokukoudou@yahoo.co.jp
  11月2日、安倍首相と朴槿恵大統領は日本軍「慰安婦」問題の「早期妥結」で一致したとされます。これまで両政府の溝が深く、事前に期待が持たれていなかっただけに、とにもかくにも「妥結」に向けて両政府が動き出したことに歓迎ムードが高まっています。
  私たち、日本軍「慰安婦」問題の解決を心から願う日本の市民は、両政府が解決への意志を示したことをまずは歓迎しつつ、しかしそれ以上に大きな不安をぬぐい去ることができません。
  それは、①首相や官房長官が首脳会談後も「日韓請求権協定で解決済みとの立場に変わりはない」と述べるなど「法的には解決した」という従前の姿勢をことさらに強調していること、②首脳会談の少人数会合の場で安倍首相自ら「少女像(平和の碑)の撤去」を求め、また「大切なことは合意すればその後、この問題を再び提起しないことだ」と発言するなど「代替条件」をつけていること、③そして、その「条件」に応じれば「女性のためのアジア平和国民基金」(以下、アジア女性基金)のフォローアップ事業を拡充することを検討すると、報道されていることから生じる不安です。

https://drive.google.com/file/d/0B_FJ37ytghxvNGhERDE2bkJXcUU/view?usp=sharing

 1990年11月16日、韓国の37の女性団体の連合体として結成された韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)は今年、結成25周年を迎えました。
 結成当初は韓国でも、日本でも、また国際的にも注目されていなかった日本軍「慰安婦」問題を世に問い、被害者の名乗り出を促し、国際的な連帯運動をリードしてきました。ゼロから始めた女性たちの運動が、被害者と結びつき共にたたかう過程で、国際的な理解と共感を呼んできたのです。
 ところが、被害者支援を中心に活動する挺対協が、被害者の望む解決を実現するため、あらゆる可能性を追求することに対し、日本では「反日団体」「利権団体」果ては「反人権団体」という誹謗中傷まで飛び交うようになりました。
 結成から25年間、挺対協は何をしてきたのか。尹美香常任代表にお話いただきます。
 4月23日、参議院議員会館で日本軍「慰安婦」問題解決全国行動と日本の戦争責任資料センターが共催で開いた「安倍首相訪米前緊急シンポジウム――『慰安婦』問題、解決は可能だ」に関する一部報道の中に誤った記述が見られ、一部に誤解が広がっています。
それは、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)が「法的責任をめぐる既存の要求を多少緩和した」(『ハンギョレ新聞』4月24日付)、「挺対協が法的責任に基づいた対応を求めてきた従来方針を転換した」(『北海道新聞』4月25日付)といったもので、とりわけ記事全般にわたって間違った記述をしている『北海道新聞』に対しては、挺対協が4月28日付で訂正を要求、5月1日付紙面に訂正記事が掲載されました。

 日本は「慰安婦」問題を解決できるのか。今、世界の注目が集まっています。
どうすれば解決できるのか。方法は一つ。被害者が受け入れられる解決策を日本政府が示すこと。これ以外に「現実的な解決策」はありません。
 そうした解決策はすでに提案されています。昨年6月、8カ国から被害者と支援者が集った第12回アジア連帯会議は、その具体的な内容を「日本政府への提言」としてまとめ、政府に提出しました。
 この提言に従って政府が一歩を踏み出すことを強く促すための集会です。被害者を置き去りにした「解決」で再び問題が歪められてはなりません。
 ともに声を上げてください。
「日本政府から賠償金が出たら、今も戦時下で性暴力の被害に遭っている女性たちに全部あげたい」
 日本軍「慰安婦」被害者である金福童、吉元玉ハルモニの、この発言がきっかけになって2012年3月8日、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)が立ち上げたのが「ナビ(蝶)基金」です。
 翌4月から早速、コンゴの紛争下で性暴力に遭った被害者たちへの支援を開始。1年後の13年3月からは、ベトナム戦争時に韓国兵の性暴力を受けた女性とそ の子どもたちへの支援を開始しました。同時に、韓国政府が過ちを認め、責任ある措置を取るよう求める声も上げ続けています。
 今年3月には、ベトナムで新たに25人の被害者を確認。日本軍「慰安婦」被害者の意を受けて、活動を広げていく「ナビ基金」について、発案者である金福童ハルモニと尹美香代表のお話を聞く貴重な機会です。 
「ナビ(蝶)基金」を受け取ったコンゴの女性たち(2014年7月)