この1カ月は激動の1カ月でした。

高市首相の“発作的”ともいえる衆議院の解散と選挙、そして自民党の圧勝には、唖然・呆然としました。日本は戦争へ大きく踏み出すのではないかという恐れが強まってきたのです。軍事費拡大,武器輸出規制の撤廃、台湾有事の発言から、スパイ防止法の制定、非核三原則の破棄、何よりも日本国憲法の改悪・・・。



日本はどこまで落ちていくのかという不安にかられる中で私たちは、「なぜここまで来てしまったのか」「もっとやれることがあったのか」「これからどうしたらいいか」を、これまでの反省を含めていろいろと話し合っています。皆さまの中にも同じような思いを持っている方は随分いらっしゃるはずです。私たちはこんな状況を何とか食い止めて、憲法改悪や戦争への道に向かわせないために、やれることは何かをしっかり考えてやっていかなければなりません。



 

  「慰安婦」問題をめぐる フィリピンと韓国の動き

ただ、アジアの国々を見渡してみますと、この1カ月の間に明るいニュースがいくつもありました。各国の市民は頑張っている、と痛感します。フィリピンでは、茂木外務大臣がフィリピンを訪問し、215日にラザロ外相と会談をした時に、「リラ・ピリピーナ」・・・これは「慰安婦」被害者の支援活動を長年やってきた団体ですが、その「リラ・ピリピーナ」が日本政府に向けた声明を出しました。フィリピンでも日本政府が平和の少女像・・・「慰安婦」被害者のシンボル的な少女像を2つも撤去させてきたことを批判し、「日本は戦争に進むな」「日米の戦争計画にフィリピンを引きずり込むな」と訴える声明です。率直な市民の声に、心から賛同しました。



そして韓国では力強い動きがありました。212日に韓国の国会で「慰安婦」被害者保護法の改正案が通ったのです。それは、「慰安婦」問題は日本の国家犯罪であり、重大な人権侵害であることを法的に明らかにして、「慰安婦」被害者への誹謗中傷は犯罪であることを明示し、被害者を追悼するための調査も行うべし・・・としています。これには「慰安婦」支援団体の「正義連」も大歓迎で、喜びの声明を出しました。



そして、「慰安婦」被害者と支援者たちが長年続けてきたソウルの日本大使館前の水曜デモが、また元の場所で行われるようになりました。これは43か月ぶりのことです。



韓国の右翼団体は2019年から「慰安婦」支援の水曜デモへの妨害を始め、2021年からは「正義連」を中心とした水曜デモを日本大使館前から追い出してしまったのですが、この211日の1739回目の水曜デモが元の場所で実現し、右翼による妨害もありませんでした。これはほんとうに嬉しいニュースです。

私は韓国に行くたびに、水曜日になれば水曜デモに参加していましたが、このデモが元の場所から追い出される形で妨害されているのは、ほんとうに許せない事態でした。それが戻れるようになったということは、非常に嬉しく励みになる動きです。



先週の水曜日に1739回になったこのソウルでの水曜デモは、毎回、ギネスブックを更新し続けています。ほんとうに粘り強い闘いです。「慰安婦」被害者のほとんどの方が亡くなられてしまい、このデモも支援団体や遺族の人たち、次世代の若い人たちが引き継いでいます。それでも日本政府は被害者への謝罪や賠償も事実の継承も行っていません。こんな状況を覆すために、韓国の市民は力を籠めて闘いを続けているわけで、これは実に大きなパワーであり、私たちを励ましてくれていると思います。


 

  ドイツ・ベルリンからも嬉しいニュース。日本各地でも頑張ってます

今日は梁澄子さんがドイツから帰国されたばかりで、この後にドイツの状況を話していただきますが、先日、「ベルリン・女の会」の梶村道子さんの報告がありました。

ベルリン・ミッテ区によって強制撤去させられていた平和の少女像が、122日にやっと元の場所に近い所に戻ってきた、その帰還を祝うために100人近い人が集まった・・・という報告でした。元の場所から100mほど離れているアートセンターの前庭に設置されるということです。ドイツでは平和の少女像を「アリ」と呼んでいますが、日本政府と右派の人々による強力な圧力によって「アリ」が撤去されたのは忌々しい事件でしたが、それを奪還して元に戻せるということは素晴らしいですね。



これまでにお話したのはアジアやヨーロッパでの「慰安婦」支援の動きですが、もちろん日本の国内でも水曜行動は活発に行われています。私たちも毎月、この新宿駅南口広場で水曜行動を行っていますが、ただ今、北海道から九州までの日本各地で行われている水曜行動についての・・・「木曜行動」というところもありますが・・・アンケート調査をしているところです。

各地の「慰安婦」支援団体は、その地域の特色ある動きを長年続けてきました。その背景には、日本政府が「慰安婦」問題の事実を認めなかったり、謝罪も賠償も行なってこなかっただけでなく、メディアや教育への介入を長く続けてきたことがあります。そのため、マスコミでは「慰安婦」問題に関するいろいろな動きがあっても、なかなか取り上げてくれません。

しかし、各地で頑張っている人たちはそんなことにはめげず、アジアの国々の被害者や支援者の人たちと市民同士で連帯して支えあい、「戦争を絶対にやめさせる」「戦時性暴力を二度と起こさせない」ということ、そのためにやるべきことは何なのかということを考えて活動しているわけです。それを思うと、各地での水曜行動はほんとうに素晴らしく、力強い動きだと思います。



ですからご通行中のみなさま、今お配りしている黄色いチラシをぜひ読んでいただいて、少しでも「慰安婦」問題に関心を持ってくださる方がいらしたらお声をかけてください。メールを送っていただいてもかまいません。

「慰安婦」問題に関心を持って行動し、声を出すこと。それが「今まさに日本は戦争に向かっているのではないか」という恐怖にかられる高市政権の下で、私たちがやるべきことの大事なひとつだと確信しています。