さる311日、キム・ヨンウォン国家人権委員会常任委員が「日本軍の性奴隷制問題はみんな知っているのに」「反日感情を刺激し」「しょっちゅう(話を)出して、何の得になるのか」と発言した。


国家人権委員会が国連女性差別撤廃委員会に提出する報告書の内容を審議する委員会で、韓国政府が日本軍「慰安婦」被害者に対する日本の公式謝罪と法的賠償を促す必要があるという部分を問題視して言った言葉だ。イ・チュンサン常任委員も日本軍の性奴隷制関連部分が報告書から除外すべきだと同調した。

 

 

 

憂慮すべきだ。

人権を装って大韓民国の歴史を壊すために潜入した日本のスパイでもない限り、このような暴言を事とするわけがない。

 

 

 

日本軍性奴隷制の歴史的真実が社会に明らかになり、世界中の被害者の証言が野火のように広がってから30年以上が過ぎた。「日帝がアジア・太平洋全域にわたって数え切れないほど多くの女性に犯した反人道的犯罪」という事実が国際社会の常識になって久しい。




昨年11月、韓国の高等裁判所が被害者らが日本国を相手に提起した損害賠償請求訴訟で、日本国の反人道的犯罪行為を認め、国家免責を排斥し、賠償を命じたのも同じ脈絡だ。それにもかかわらず日本政府は、日本軍性奴隷制という犯罪事実に対する認定と公式謝罪、法的賠償はしないまま、否定と歪曲、被害者攻撃、被害国非難を繰り返してきた。

被害者を代弁すべき尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は、最低限の外交的努力はおろか、「2015日韓合意」を持ち出し、日本に屈辱的な姿勢で一貫している。これに国連女性差別撤廃委員会の韓国政府審議を前に、「韓国政府が日本政府に謝罪と法的賠償を促すべきだ」という指摘は、国家人権委員会ができる常識的で最低限の意思表示だ。これまで国連の諸機関や諸委員会が共通して日本政府に要求してきた「公式謝罪と被害者に対する完全かつ効果的な賠償」とも共鳴するものだ。

 

 

 

日本軍性奴隷制に対する大韓民国政府の基本的な認識も、これまで与野党や左翼右翼の違いはなかった。 しかし、国家人権委員会の常任委員という者たちが、露骨に歴史を否定し、被害者の人権を踏みにじる時代がくると誰が予想しただろうか。 実に嘆かわしいことだ。

 

 

 

キム・ヨンウォン委員は国家人権委の3人の常任委員のうち、尹錫悦大統領が任命指定した人物だ。イ・チュンサン委員は与党(国民の力)が推薦した人物だ。彼らの卑劣な行動は、尹錫悦政権がこれまで見せてきた反歴史、反民族、反人権、反民主主義的行為の延長線上にある。

3・1独立運動に基づく憲法精神の毀損、親日派美化、独立運動家誹謗、色あせたアカ攻撃で女性団体、市民団体、言論、労組を弾圧した一連の動きと無関係ではない。被害国が自ら進んで強制動員被害の第三者弁済案を突きつけ、外交を口実に悲惨な人権侵害を覆い隠し、ソウルのど真ん中で君が代が鳴り響き、独島近海で旭日旗を掲げた自衛隊の艦船が軍事訓練を行い、大韓民国国防部長官という者の「独島が紛争地域化された事柄」との発言と決して無関係ではない。日本の宿願をすべて叶えて自国の歴史を毀損し、「日本が変わった」という妄想でお世辞を言う「新内鮮一体派」の妄動にほかならない。

 

 

正義記憶連帯は要求する。

 

一、反民族的・反歴史的政権の行動隊長キム・ヨンウォンとイ・チュンサンは直ちに国家人権委員会の常任委員から辞任せよ。

 

一、人権の仮面をかぶり、あらゆる差別とヘイト発言で国家人権委員会の存立根拠さえも揺るがしてきたキム・ヨンウォンウォンとイ・チュンサンは直ちに辞任せよ。

 

一、彼らを任命して国家人権委員会を戯画化し、国際社会の笑いものにした尹錫悦大統領と与党(国民の力)は国民に謝罪せよ。

 

一、私たちは国家人権委が正常化され、親日反民族売国ファッショ勢力が退陣するまで、屈せずに闘争することを誓う。

 

 

2024313

 

日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯




(訳 権龍夫)