3月10日午前、日本軍「慰安婦」問題解決全国行動は、国連女性差別撤廃委員会の最終所見を受けて、この勧告を受け入れるよう、外務省に要請書を提出し、その後、参議院議員会館内で緊急記者会見を行いました。

 全国行動共同代表の渡辺美奈他3名が、外務省に出向き、要請書を提出しました。代表団の報告によると、対応した外務省男女共同参画推進室は、要請書は受け取ったが、どこの課が対応するか協議中と20分も待たされた上で現れ、「女性差別撤廃委員会の担当は私たちですが、詳細は地域担当課に聞かないとわからない」という態度だったとのこと。

 以下緊急記者会見での代表団の会見内容です。(集まった記者は7社)

■渡辺共同代表は

  • 今回のCEDAW最終所見は、昨年12月28日に日韓政府間合意が記者発表されてから初めて出された国連機関の勧告で、日韓「合意」にも踏み込んだものとして注目される。
  • 今回の最終所見は①第一に日韓「合意」においても“被害者中心アプローチでないこと”、“他の関係国の被害者への責務が果たされてないこと”をあげている点。②第二に勧告の部分で「真実・正義・被害回復の権利を保障するために措置を供しなければならない」としたこと。③第三に「効果的な救済の不足が継続している状況では侵害が継続している」との現在の人権侵害状況の見解を示したこと

が重要であると述べました。そして「私たちはこの勧告を歓迎し、日本政府は受け入れるべきである」と強く要請したこと、外務省は“要請書”を受け取ったと、報告しました。

■坪川宏子さんは、審査会で質問に答えた杉山審議官の「強制連行はなかった」とした発言に絞って、具体的な資料を示して外務省に反論したことを報告しました。

■柴崎温子さんは、フィリピンの裁判を起こした被害女性の事例は全て強制連行であり、「でたらめをいうのは日本の恥。止めろ!」と訴えたと報告しました。

記者からは

* 外務省の対応はどうだったか
* 要請書を出した後、今後はどんなことを考えているのか
* 勧告に性奴隷や強制連行という言葉がないのは、日本政府のロビーがあったからか

などの質問が出されました。

 代表団からは、「性奴隷」の表現がないことは、特に重要ではない。被害者が被害回復を求める権利を有し被害回復が為されていないとして、「日韓合意」に踏み込んだ国際機関の勧告が出たことが重要。今回の勧告では「責任を薄める発言は止めよ」ともある。日本政府が国際的な専門家の判断を重く受け止めるよう、この勧告を突破口に、国際社会とも日本の他団体とも連携して訴えていく。マスコミの皆さんには「ぜひこれを記事にしてほしい」と話し、会見を終えました。