2016/2/5 12:30~15:00

緊急シンポジウム「日本軍『慰安婦』問題、日韓政府間「合意」は解決になるのか!? 」を開催(@衆議院第1議員会館大会議室)        

<発言者>
・ 金昌禄 慶北大学法学専門大学院教授(韓国)
・ 阿部浩己 神奈川大学大学院法務研究科教授
・ 李娜榮 中央大学社会学科教授(韓国)

 冒頭で梁澄子共同代表が外務省への抗議文提出について報告しました。

 続いて金昌禄・韓国慶北大学教授が「日本軍『慰安婦』問題に関する「2015年合意」の問題点」について述べ、日韓国交正常化50周年を飾る「1965年体制」の復活・強化のための「談合」だと指摘、20数年間「正義の解決」を訴えてきた被害者たちに対する「傲慢な暴力」でしかないと結論づけました。


 次に阿部浩己・神奈川大学教授が「不正義への合意、再び〜国際的基準に照らして『合意』を読み解く」とのタイトルの下、今回の「合意」で「国際法で言う不正義が見極められたのか」そして「不正義の是正と被害回復」がなされたのかについて、国際基準から検討を加えた上で、①不正義の実行と責任の承認、②不正義の是正と被害回復、この両面において、国際法的には非常に大きな問題を残す「合意」であったと述べ、歴史を正視せず法の正義を傲岸に踏みしだいた日韓政治の「不正義への合意」・「談合的手打ち」と痛烈に批判しました。


李娜榮・韓国中央大学教授は「日本軍『慰安婦』運動の意義と『合意』後の運動状況」について報告。「歴史的な不正義を 隠すために正確な対象と的確な内容および形式の欠如した謝罪で、もう一つの『不可逆的な』歴史的不正義をおかした」と断じました。李娜榮さんは、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)胎動の時代から続く韓国の日本軍「慰安婦」問題解決運動について概説し、その意義について述べた上で、今回の合意が運動団体の枠組みを超えて幅広い市民の怒りをかい、「日本軍『慰安婦』合意無効と正義の解決のための全国行動」の結成、「日本軍『慰安婦』ハルモニと手をつなぐ正義と記憶財団」の設立を促すなど、運動の幅が広がっていることを報告しました。




 この日の集会には、およそ300人が参加しました。集会の映像は以下。