ナヌムの家より矢嶋です。


今年4月にナヌムの家法人臨時理事の一人として就任したにも関わらず、即辞任したパク・ジョンファ元新理事の後任として、曹渓宗奉国寺の住職である慧日(ヘイル)和尚が臨時理事会職務代行を兼ねるかたちで7月6日常任理事に就任しました。

なおパク・ジョンファ氏の辞任は彼がキリスト教系の現役福祉施設所長であるという理由により、曹渓宗側が圧力をかけ半ば強制的に辞任させたものです。

今回の慧日和尚関連人事は、同じく臨時代表理事に選任され臨時理事会職務代行を兼ねているイ・チャンジン氏と曹渓宗側理事(現在職務停止中)との話し合いのうえで決められたものです。


慧日和尚は、ナヌムの家の理事であり問題の元凶であったウォルチュ和尚やウォネン和尚とは対立関係にある派閥の関係者であることから、臨時理事たちも慧日和尚を通して運営陣の交代を含むナヌムの家の正常化作業を進める心づもりでいたようです。私たち内部告発スタッフたちもそのように聞かされていたのですが・・・。




7月7日、運営陣による内部告発スタッフに対する違法写真撮影事件が起こりました。それを受けて慧日和尚が同日ナヌムの家にやってきましたが、始終被害を受けたスタッフを一方的に非難するとともに、"この間考えてきた正常化プランはすべて白紙に戻し、今後は自分のやりたいようにやる"と宣言。その直後から仏教系メディアでは内部告発スタッフを攻撃する記事やリポートが続出し現在も続いています。


前理事だった僧侶たちとは対立派閥とはいえ、曹渓宗という強大な組織の利益を守るという点では両者の間で意見の一致があるようです。




また韓国では来年に大統領選挙を控えていますが、民主党有力候補の一人が現京畿道知事のイ・ジェミョン氏であり、曹渓宗からも支持を取り付けたいという目論見もあります。ナヌムの家法人・施設監督責任のある京畿道により任命された臨時理事たちもその狭間の中で正常化作業を進めようとしていますので、しんどいとのことです。
こうした慰安婦問題の政治的利用はナヌムの家の改善には結びつかず、結局はハルモニ達へ被害となって及んでいくのですが。




さてハルモニたちの現状です。


イ・オクソンハルモニ:最近念願の景福宮へ行ってきました。生まれて初めて訪問したそうです。この2年の間に体力や気力もだいぶ衰えましたが、インタビューやオンライン上での人との出会いには機会があれば積極的に参加したいようです。



ソンリサンハルモニ:呼吸器系の機能が弱まり現在入院中です。
1週間ほど経ちますが、ビデオチャットを通して連絡すると「早く帰りたい、迎えに来て~」と元気な声で私たちにうったえてきます。来週から私たちとソンリサンへ戻り、数日かけて家の掃除等をする予定でしたが、もう少し先のことになりそうです。




パク・オソンハルモニ:3週間ほど前からハルモニたちのための運動治療プログラムをようやくスタートすることが出来ました。

ナヌムの家民主化運動を始めて2年以上が過ぎましたが、 このプログラムはこの間実現したほぼ唯一のポジティブな成果なのです。

臨時理事会に直訴し、やっと実現。

パク・オクソンハルモニもこのプログラムに参加していますが、なんと介助付きでの自力歩行が再度可能になりました。 

旧・新運営陣はこの2年間ハルモニをただ寝たきり状態に放置し、こちらが何度も運動プログラムを要求してきたにも関わらず、出費とコロナを言い訳に何もしてきませんでした。今後もこの調子でプログラムをすすめハルモニの体力ができる限り回復するのを願うばかりです。




カン・イルチュルハルモニ:ハルモニの娘さんがハルモニ専門の看病人として運営陣により雇用され同居し始めて半年以上が立ちますが、ハルモニの体力の衰えは一番ひどいです。
娘さんは運営陣との間に直接利益関係が生じたので、ハルモニが私たち内部告発したスタッフと接触を持つのをきらい極力妨害します。過去1年間で私たちがカン・イルチュルハルモニと外出した回数はゼロです。
ハルモニは生活館2階の自分の部屋とリビングのみで生活する状態が今も続いています。結果、それ以前までは一人で歩行が可能だったハルモニは介添えまたは車いすなしでは移動が不可能な状態になってしまいました。
運動プログラムへの参加も娘さんが現在も拒否し続けており、臨時理事会もハルモニの生活環境改善に向けて動き出すつもりのようです。