4月24日、1回目のコロナのワクチン接種をハルモニ達ともども無事に終えました。



いまのところ副作用の影響も出ていないようです。5月15日に2回目の接種を行う予定です。




さて5月4日付の中央日報がナヌムの家のハルモニ達の遺骨移転問題を取り上げて報じています。日本語版でも報じられているので目にされたかたもいるかと思います。




記事リンクを下に貼りましたのでご関心のあるかたはご確認ください。

・遺骨移転問題のアウトライン説明記事


・遺族・家族へのインタビュー記事1


・遺族・家族へのインタビュー記事2




次に記事からは見えてこない部分に関していくつかの点をお伝えしたいと思います。



1:今回の遺骨移転問題記事に関して、私たち内部告発したスタッフは一切かかわりがないことをまず初めにお伝えしたいと思います。この件に関する行政とのやり取りおよびメディア対応は現運営陣が一部の遺族・家族とともに行っていることです。



2:遺骨移転問題は昨年の京畿道民間合同調査団による調査結果、これまでナヌムの家で違法(環境保護に関する法律)にハルモニたちの遺骨が安置されてきたことが指摘されたことで明らかとなりました。
記事には出てきませんが、環境法とは別に私有地に遺骨を安置する場合でも法律的には好き勝手にできず、許可された土地利用目的の範疇内であるかどうかの行政判断を受けねばならないのにその手続きも怠ってきました。

ちなみにナヌムの家の裏手にある山林地帯もソン・ウォルチュ代表理事(現在職務停止中)の指示で寄付金を多額投入し購入していますが、環境法に抵触する土地のため建築・造成などが全くできないまま遊ばせているだけの状態が続いています。詳細まで検討した土地利用計画もない状態で、集めた寄付金を多額投入してナヌムの家周辺の土地を買い占めてきた結果生じた、寄付金の不当流用の一例です。



3:インタビュー記事のなかでチョン・ボクスハルモニの家族がハルモニの遺骨が現在とある仏教寺に安置されていると説明している箇所があります。

実はハルモニとその家族はキリスト教信者です。

ところがハルモニの葬儀費用をナヌムの家が全額持つ代わりに仏教式で葬儀を執り行う約束を現運営陣が家族にさせた結果です。

本来、みなさんからいただいた寄付金はハルモニたちの葬儀費まで含んでハルモニたちの意志に即した形で使われるべきであり、曹渓宗のイメージ戦略のための道具としてハルモニの"死"や家族を利用するべきではありません。

また民間合同調査でもナヌムの家法人は信教の自由を侵害しているとの指摘も受けています。

カトリック信者であったキム・グンジャハルモニが亡くなったときも曹渓宗は勝手に仏教式で葬儀を済ませてしまったのもその一例です。




4:キム・スンドクおよびイ・ヨンニョ両ハルモニの家族もインタビュー記事に出てきますが、この二人は昨年夏ごろから前理事会(曹渓宗系)と現運営陣の認可のもと"ナヌムの家運営正常化推進委員会"なるものを組織し、運営陣指示のもといろいろ騒ぎを起こしています。

運営陣の許可を得て差別的横断幕を歴史館に打ち付けたのもこの遺族です。内部告発スタッフたちに暴行を加えた容疑で現在公判中でもあり、また前所長のアン・シングォンと一緒に「日本軍性奴隷被害者研究所」なる組織を今年3月に立ち上げています。

この遺族組織の目的は自分たちで寄付金を直接管理すること(現実的な話ではないのですが、そう信じこまされているようです)ハルモニたち亡き後に自分たちがナヌムの家に入所することのようです。


先月末に京畿道人権センターによる人権侵害事件に関する調査結果が出されましたが、人権侵害を継続して行っている組織と認定されました。即解散を求める通告が同センターにより臨時理事会のほうに送付される予定です。

またこの遺族たちは生前のハルモニたちとほとんど関係を持たず、2020年にナヌムの家問題が内部告発を通して本格的に表面化して以後、前理事会および運営陣により利用される形でいろいろ騒ぎを起こしているという点もお伝えしたいと思います。




5:今回の遺骨移転問題に関して私たち内部告発したスタッフたちは蚊帳の外に置かれており、同じ現場で進行していながら報道された記事を通してのみその一部を知ることが出来る、という状態です。

ナヌムの家に遺骨の安置を望むハルモニたちがいたのは事実ですので、その遺志を汲んだ判断を今後行政側が出すのがいいのでは、という意見もあるのは当然でしょう。

しかし故人の信仰の自由がきちんと保障されていない現在のナヌムの家での遺骨の安置は問題があるのも事実です。
実際のところハルモニたちの"死"さえも曹渓宗は利用するからです。
仮に処分通り遺骨が移転させられても、正常化が達成されたときに再びここに安置する方法を探るという選択肢もあります。
また亡くなった人たちを追慕するという行為は、必ずしも故人の遺骨等がなければできない行為ではありません。



悪化しているナヌムの家を考慮するといまは遺骨移転問題に集中できないのが私たち内部告発したスタッフの現状です。

 現在ナヌムの家で暮らしている4名のハルモニたちの日常を守っていくのが精一杯なのです。




さて最後に最近のハルモニたちの状況をお伝えします。


イ・オクソンハルモニ:おととい検査入院しました。異常はないとのことで明日退院します。今回は曹渓宗系の病院ではなく広州市内の昔からのかかりつけの病院ですので、安心です。


ソンリサンハルモニ:家族との問題を悩んでおり、最近元気がありません。下の事務所に来てわたしたちと一緒に過ごしたいようですが、運営陣の介入で自由に行き来できない状態です。


カン・イルチュルハルモニ:現在は車いすがないと移動できないほど足腰が急激に弱まりました以前は私たちと散歩や外出したりと体を動かす機会が多かったのですが、運営陣が変わってからその機会が全くない状態です。娘さんの意向もあって2階の生活エリアで半隔離状態にあります。


パク・オクソンハルモニ:先日息子さん夫婦が面会にやってきました。認知症がありますが、息子さんのことは分かったようです。ここのところ体調もいいようで、自分で体を動かそうとしたり、周りの人たちとコミュニケーションを積極的に取ろうとしたりします。

(ナヌムの家・矢嶋宰)