京郷新聞より(写真も) チェ・ミンジ記者  2020.09.07  



 日本軍'慰安婦'被害者福祉施設のナヌムの家の実態が公益通報者らの告発で世に知られてから100日余りがすぎた。 京畿道官民合同調査団が17日間調査し、先月発表した結果は、これまで提起された疑惑のほとんどが事実であることを示している。 しかしナヌムの家の法人はこの結果が「歪曲」だとして反発している。公益通報者に対する攻撃も続いている。 ナヌムの家はどこへ行くのか。




ナヌムの家・官民合同調査団のチョ・ヨンソン共同団長(弁護士、元国家人権委員会事務処長)が4日、ソウル瑞草区の弁護士事務室でナヌムの家事態に対する考えを述べている。 (クォン・ホウク先任記者)



民間合同調査団のチョ・ヨンソン共同団長(弁護士・元国家人権委員会事務総長)に会い、ナヌムの家の現状と今後の方向について聞いた。



ソウル瑞草区の事務所で会ったチョ団長は、インタビューの開始と共に、紙1枚を差し出した。 2011年、ナヌムの家の元職員である日本人の村山一兵氏が提出した「ナヌムの家のハルモニ人権問題改善要求書」だった。 ハルモニたちの生活環境の改善と後援金の透明な運用などに対する要求が盛り込まれている。 チョ団長は「10年前に日本人職員が指摘した問題が今まで同じように起こっていた」とし「深刻で恥ずかしいこと」と述べた。



チョ・ヨンソン共同団長はこの日のインタビュー開始と同時に、ナヌムの家の職員だった村山一兵さんが2011年に書いた「ナヌムの家」の人権問題改善要求書を取り出した。 彼は「10年近く経った今まで同じ問題が繰り返されていた」とし「恥ずかしいことだ」と話した。 (チェ・ミンジ記者)



チョ団長は、同問題の本質は「ナヌムの家の(私)物化」にあると指摘した。 

3分の2以上の曹溪宗の僧籍者で構成された法人理事会が、ナヌムの家のアイデンティティを無視したまま、後援金を他の目的に使ったという。 調査団によると、ナヌムの家は2015〜2019年に後援金約88億ウォンのうち、2億ウォンだけをハルモニたちのために使った。 チョ団長は「ナヌムの家の最初から最後まですべて'慰安婦'ハルモニであり、市民らの後援金もまた、事実上国民からの基金の性格がある」、「公益的性格に合わせて未来を設計しなければならないにも関わらず、一般療養施設への転換を計画したのは、結局、ナヌムの家を'私有化'したこと」と話した。



ナヌムの家に対する理事会の「哲学不在」はあちこちで露呈した。チョ団長は、端的な例としてトイレなどの施設や建築方式などを挙げた。「毎年1万~2万人が訪れる場所だが、オフィスと生活館にトイレがあるだけで、さらには男女共用です。また、生活館から歴史館に行く道は傾斜があってハルモニたちが散歩するのも大変です。人権に対する考慮なしにデザインしたものです。」



調査団は先月、中間報告を通じて法人理事陣の全員解任と施設長の解任などの処分を京畿道に要求した。「強気」だった。しかし、「ナヌムの家」の抵抗は続いている。仏教界のメディアは、調査団の調査が歪曲されたという報道をあふれさせ、理事会は最近、2つの総合日刊紙に同じ趣旨の全面広告も出した。調査団は、理事陣の調査参加も求めたが、1人だけが応じた。



調査団は、調査過程でハルモニに対する法人側職員らのグルーミングもあったと判断した。ナヌムの家に居住するイ・オクソンハルモニは7月、仏教界のメディアに出演し、「僧侶たちを責めるな」と語った。チョ団長は「われわれが憤慨する理由は、ハルモニが僧侶たちに対する(擁護)意見を明らかにしたからではない。 ハルモニたちの不安を利用して、表舞台に立たせたこと自体だ」と話した。 公益通報者に対する攻撃も続いた。 先月は、ナヌムの家の建物に、日本人公益通報者を狙った人種差別的文言の横断幕が掲げられた。



会計不正と後援金の私的乱用疑惑が持たれている京畿道広州市退村面にある「ナヌムの家」

(イ・ジュンホン記者)



チョ団長は「ハルモニたちが'慰安婦'被害者ではない平凡なハルモニの人生を生きなければならないのではないかという悩みがある」と話した。「ハルモニたちは生涯、痛みを繰り返し証言してきました。 ハルモニたちの生活を標本にして社会から隔離させ、また別の虐待を行ったという気がします。」


9月現在、ナヌムの家には被害者ハルモニが5人がいる。いずれも90歳以上の高齢だ。調査団は環境の変化によって、被害者が受ける情緒的影響とハルモニたちのための医療サービスなどを考慮し、今後ハルモニたちの去就を決める計画だ。チョ団長は「ハルモニたちの健康状態を考慮すれば専門療養施設が良いのかもしれないが、突然の環境の変化によるハルモニたちの困難、ナヌムの家が持つ象徴性などを考慮して現実的な案を出す」と話した。


調査団は近く、ナヌムの家の実態と処分、今後の方向などを盛り込んだ最終報告書を提出する予定だ。京畿道は同報告書を基に、法人及び施設に対する最終処分を決定する。


ハルモニが消えた「ナヌムの家」はどんな姿であるべきだろうか。

チョ団長は「社会福祉施設としては結局、自然消滅し、歴史館として本格的に位置づけられるべきだ」と述べた。 散らばっている'慰安婦'関連資料を集めて展示して、教育を行う空間として再生しなければならないということだ。

チョ団長は「'慰安婦'問題は、植民地時代に限られない戦争犯罪の歴史」だとし、「人類の戦争の歴史に与えるメッセージは大きいだろう」と話した。


(拙訳:Kitamura Megumi )

「寺」も「私」もハングルでは同じ読み


〈原文〉

https://m.khan.co.kr/view.html?art_id=202009071659001&code=940100&fbclid=IwAR0bLxkNHRlm6ukSNIzMrUlUT_tobrc2jS-l17ROneGw0bZ3MiFV56E4nGs