2015年12月28日の日韓政府間合意により日本軍「慰安婦」問題は「最終的・不可逆的に解決」される――そんな既成事実化が着々と進められています。
しかし、それが本当に「事実」とされていいのでしょうか。

  私たちが知っている事実は、
  1991年8月14日、韓国の「慰安婦」被害者・金学順さんが名乗り出て、各国の被害者が続々と後に続き、被害回復を求めて四半世紀もの間たたかってきたという事実
  そして
  そのたたかいが、今も続く戦時下・紛争下の性暴力被害者たちに勇気を与えたという事実
そのたたかいが、重大人権侵害被害者の被害回復に関する国際的な議論を深めさせてきたという事実です。
  そして、沖縄の女性たちの戦中戦後は、軍隊がある限り女性たちは性暴力にさらされ続ける、その事実を示しています。
  2016年8月14日、4回目の日本軍「慰安婦」メモリアル・デーに、私たちは過去から現在に至る軍隊による性暴力を根絶するための取り組みを確認し、その成果を未来へと繋げるための集いを持ちます。

<東京>
日時 : 2016年8月14日(日) 13:30~16:30(開場13:00)
場所 : 日本教育会館・第1会議室(8階)

※ 終了後(17:00~)デモをおこないます。

「慰安婦」被害者が切り開いた地平―旧ユーゴの活動家を招いて
  「世界で最もパワフルなフェミニスト7人」(『フォーブス』誌)の一人、クロアチアの戦時性暴力被害者支援をリードしてきたラダ・ボリッチさんを招いて、日本軍「慰安婦」被害者の国際的な活動が旧ユーゴ紛争下で性暴力を受けた女性たちとその支援運動にどのような影響を及ぼしたのか等について、お話しいただきます。これを受けて、日本軍「慰安婦」被害者や旧ユーゴ紛争下の性暴力被害者らのたたかいが、90年代以降の国連における議論をどのように深めさせたのか、その結果、現在どのような地平に達しているのか、申惠丰さんに明らかにしていただきます。日韓「合意」を、女性たちのたたかいと国際的な議論の中に位置づけて検証する催しです。是非ともご参加ください。

ゲスト
◆ ラダ・ボリッチ(Rada Boric)さん
  クロアチア・ザグレブ生まれのフェミニスト研究者・活動家。旧ユーゴの紛争中の1992年にクロアチアの首都ザグレブで「女性戦争被害者救援センター」(Center for Women War Victims)を組織。クロアチアの反戦キャンペーンや女性運動に深く関わり、EUの女性連合体であるEuropean Women’s Lobby の副代表、「ノベール女性イニシアティブ」の運営委員、V-day(女性に対する暴力を根絶するためのキャンペーン)の地域コーディネーターとして旧ユーゴ地域でイベントを実施するなど、さまざまな女性の権利のための活動に関わる。現在、クロアチア女性学センター代表。戦争における女性の性暴力被害の原因とメカニズムを研究中。

◆ 申惠丰(しん へぼん)さん
  1966年東京生まれ。ジュネーブ国際高等研究所修士課程、東京大学法学政治学研究科博士課程修了、法学博士。専門は国際法・国際人権法。青山学院大学法学部教授。現在、国際人権法学会理事長。主著に『人権条約上の国家の義務』(日本評論社、1999年)、『人権条約の現代的展開』(信山社、2009年)、『国際人権法―国際基準のダイナミズムと国内法との協調』(信山社、2013年)など。




<大阪>
日時 : 2016年8月14日(日) 13:30~(開場13:00)
場所 : 大阪市立住まい情報センター

※ 終了後(16:00~)デモをおこないます。

変えるために、ともに行動しよう ~沖縄から高里鈴代さんを迎えて
  大阪では、沖縄から、長年にわたり米軍による性暴力をなくすために取り組んでこられた高里鈴代さんを迎えます。今、沖縄の人々は、「怒りは限界を超えた」と声をあげています。軍隊があるかぎり残虐な性暴力事件は繰り返されるからです。この国は「戦争をする国」へと、さらにひた走っています。日米韓の軍事協力を進めるために行われた日韓「合意」では、「慰安婦」被害者の尊厳を取り戻せません。私たちは沖縄の人々と連帯して軍事化を止め、軍隊による性暴力をなくしていきましょう。ぜひ、ご参加ください。

ゲスト
◆ 高里 鈴代(たかさと すずよ)さん
  1940年台湾生まれ。東京都女性相談センターで電話相談員、那覇市婦人相談員を経て、1989年から2004年まで4期15年那覇市議会議員を務める。現在、「強姦救援センター・沖縄」代表。「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」共同代表、「軍事主義を許さない国際女性ネットワーク」沖縄代表。沖縄戦と「日本軍慰安婦」展実行委員会など。著書「: 沖縄の女たちー基地・軍隊と女性の人権」(明石書店1996年)ほか。エイボン功績賞(1996年)、土井たか子人権賞(1997年)、2005年「1000人の女性をノーベル平和賞へノミネート」の一人に。沖縄タイムス賞(社会活動2011年)。