日本政府は427日、「従軍慰安婦」と「強制徴用」という用語について「慰安婦」と「徴用」に代替しなければならないという立場を閣議決定した。植民地下、朝鮮人に対する野蛮な強制徴用の歴史から脱却させ、日本軍の組織的で体系的な性奴隷制の歴史をなかったことにするためだ。



510日、菅首相はこのような閣議決定が今後小・中・高教科書検定に反映されることを確認した。安倍首相の時から本格化した日本政府の歴史否定は菅内閣で一層露骨になっている。

 






20073月「官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見つかっていない」という内容の安倍内閣の閣議決定以後、日本は1993年の河野談話さえ事実上否定して強制動員を証明する日本国内資料を隠して後退に後退を繰り返してきた。



日本軍「慰安婦」問題のユネスコ登載を妨害し、軍艦島世界遺産登載時に国際社会に約束した朝鮮人強制徴用記録を全て削除したりもした。公式文書である「外交青書」には「性奴隷ではない」「強制連行はなかった」「韓国が国際法に違反した」「独島は日本の領土」など、歴史否定と主権侵害の内容を堂々と載せている。

 


世界各地に建てられている平和の少女像に対する攻撃も激しくなっている。日本政府の露骨な妨害と脅迫はもちろん、日本政府と公式・非公式的に連携した極右勢力が少女像設置妨害と撤去のためにあらゆる工作と脅迫を日常化している。少女像が設置されているドイツ・ベルリン市ミッテ区役所担当者およびドレスデン博物館担当者らは数百通のEメールに苦しめられているという。

 



歴史否定論者と歴史修正主義者らは一層大手を振っている。ハーバード大ラムザイヤー教授論文は氷山の一角だ。

時には専門家の仮面をかぶり、時には市民社会の名を騙って国内外あちこちで「偽慰安婦」「性奴隷ではない」「高級娼婦」「自発的」「公娼」など、被害当事者の名前まで直接取り上げて論じ、攻撃している。



今、この瞬間にも水曜集会の現場周辺は彼らの大声と、ごり押しの主張であふれている。平和と人権を歌い、希望と連帯の象徴である平和路がいつからか嫌悪と差別の言語が乱舞する絶望と葛藤の場になっている。嘆かわしい。あまりに恥ずかしくて若い世代に顔向けできない。  

 



日韓葛藤の深刻化は日本軍「慰安婦」問題や強制動員問題のためではない。真実と正義を求め、被害者の名誉と尊厳を回復しようとする全世界市民の熱望と努力のせいでもない。過去の歴史を反省するどころか厳然と存在する歴史的事実まで否認し、偽りと言葉で言い換えることを日常とし、逆に韓国と被害者を非難する日本の厚顔無恥な態度のためだ。これに力づけられてますます勢力を拡げる反人権的・反女性的・反平和的歴史否定論者らのふるまいのためだ。

 

日本政府に強く求める。

 

1.日本政府は歴史の否定とわい曲を止めて過去の過ちを謙虚に認めよ。

1.被害当事者に心より謝罪し、再発防止を約束せよ。

1.これ以上未来世代に重荷を引き継がせず、正しい歴史教育を実施せよ。

1.帝国主義と軍国主義の残滓を脱ぎ捨て、東北アジアの平和と安寧のために積極的に努力せよ。

 

2021512

正義記憶連帯理事長 李娜榮


(訳 方清子)