昨日221日、寒さと雨降りの中、第73回目の水曜行動in新宿を開催しました。雨宿りをするところがなく傘を差しながらのアピールでしたが、若者たちが参加し、さらに初めて参加された留学生からは暖かい飲み物まで差し入れしていただきました。熱心にチラシを読む人もいて、大いに元気づけられ、活気あるアピールとなりました。

 



最初にアピールしたのは、海南島の被害者支援を続けてきた米田麻衣さん。



米田さん




「サバイバーを記憶する~海南島で出会ったアポ 全員が亡くなった今」として、被害者たちとの出会いから、「被害が終わっていないのではなく、加害が終わっていない。被害者に謝罪も賠償もしない日本政府とそれを支え続けた日本社会に生きる私/たちが向き合うべき事実」だと訴えました。またそこで行われた住民虐殺は、いまパレスチナで行われているジェノサイドと同じだとして、日本政府に停戦を求めよとコールも行いました。

(詳細報告は、https://www.restoringhonor1000.info/2024/02/blog-post_23.html 参照)





月間報告は池田恵理子さんは、昨年1123日のソウル高裁判決の意義について述べ、人権を優先させない日本政府の対応の問題と、メディアの責任を訴えました。


 

池田恵理子さん


 このところ、自民党派閥の政治資金パーティをめぐる裏金問題が噴出し、確定申告の受付も始まったが、真面目に納税するのがバカバカしくなるような状況だ。しかし、「慰安婦」問題の関係者には、昨年11月のソウル高等裁判所の判決で、韓国の「慰安婦」被害者が日本政府を訴えた裁判で勝訴したことの喜びが大きい。125日にはこの裁判を闘った弁護士10人が来日して報告集会が行われた。彼らは若くて元気で力強かった。

この裁判で日本政府は「国家は他国の裁判権に服さない」とする国際慣習法の「主権免除」を主張してきたが、世界の国々では個人の人権を優先する判決がいくつも出ており、日本はこの流れから取り残されている。問題なのは、このような重大な問題を日本のメディアがしっかり取り上げないため、一般にはあまり知られていないことだ。これには私たちも多くの人に知らせていく努力をしていきたい。

またここ数カ月で注目されたのは、高崎市の群馬の森・朝鮮人追悼碑の撤去問題だ。戦時中の強制労働で亡くなった朝鮮人を悼む碑は2004年に建てられたが、2014年の更新時に県の許可が下りず、揉めていた。すると今月末、県は市民の反対の声を無視して強制代執行で碑を撤去してしまったのである。碑の前での集まりで、「強制連行」という政治的発言があったからだという。

あまりの暴挙に、私も新宿で行われた撤去反対の街頭行動や集会に参加して抗議の声をあげてきた。これは、日本政府が「慰安婦」の平和の少女像が世界の国々に建てられると、そこに圧力をかけて撤去させてきた国内版のようなもので、とても許されないことだ。

政権が在日朝鮮人だけでなく、アイヌや被差別部落、ハンセン病患者・・・といった少数者への加害や人権侵害などの事実を封殺し、記録と記憶を消し去ろうとする動きは珍しくない。ここには日本軍「慰安婦」被害者も含まれている。私たちはそれに抗って歴史的事実に向き合い、次の世代にもそれを継承していかなければならない。諦めずにやり続けていきたいと思う。




坪川宏子さんは、10月に予定されている国連女性差別撤廃委員会の日本報告審議にむけて、取り組む課題を訴えました。



坪川宏子さん

日本軍「慰安婦」問題では政府は一貫して、「アジア女性基金で終わった」「2015日韓合意で解決している」と言っているが、間違っている。

アジア女性基金は国民の募金で行ったもので国の賠償ではなく、「日韓合意」では被害者は置き去りにされた。外交青書では、2017年から「強制連行はなかった」「(慰安婦は)性奴隷ではない」と歴史否定を繰り返し主張している。何としても突き崩す必要があることを訴えました。(添付のチラシ参照)

 



(報告:木瀬慶子)



●当日配布したリーフ






■リーフの内容

 

■明治憲法の下では、女性は法律上無権利で選挙権も被選挙権も禁止され、演説を聞きに行くことも政党への加入も禁止でした。新宿でこんなデモをすれば逮捕ですね!

これらは敗戦後、日本国憲法下で原則的に男女平等になりましたが、今でも日常的に男女の差別はしぶとく生きていますし、人々の意識の中にしみついていますよね。例えば、

 ① 2023 年のジェンダー平等度は、146 国で125 位 !!

 ② 2024・1月女性の平均賃金が男性の69.5%! (厚労省発表)

 ③女性国会議員(衆議院10.3%)186 国で130 位!

 ④夫婦同姓を法律(民法750 条)で強制するのは日本だけ!

 ⑤家事・育児の負担が女性に、セクハラ被害は女性に多い!

                  

■女性差別撤廃条約とは?

  男女の完全な平等を目的とする条約です。加入国に、女性差別の法律を廃止し、日常に残る伝統意識(男の役割・女の役割)をなくす政策をとり、女性が平等に自分らしく生きられる政策の実施を求めます。1979 年国連で採択され、日本は1985 年に批准(加入)しました。


■ 10 月に条約の日本審査がジュネーブであります。

 政府は前回審査(2 016 年)以後、あらゆる分野(政治・経済・マイノリティ・教育・法律・「慰安婦」…)の女性差別を廃止するためこのような政策を実施したと国連の女性差別撤廃委員会に報告をします。一方、各分野のNGO(市民団体)も政府報告の不足や批判の情報を提供します(準備中!!)。委員会は双方を検討、10 月に政府と質疑応答して審議後に政府に総括所見(勧告)を出すのです。



■「慰安婦」問題について、詳しくは10 月の時点に譲り、ここでは簡単に触れます。


政府は① 1995 年国民基金による支援金、② 2015 年日韓合意で10 億円拠出した政策等を報告。NGO 報告は1 つだけ紹介します。政府は2017 年から『外交青書』で「性奴隷や強制連行は史実とは考えていない」という事実否定の歪曲認識を世界に拡散し続け、被害者の人権を更に傷つけていると報告の予定です。

  

それまでに選択議定書を批准するよう政府に求めましょう!!


■選択議定書って何ですか?  

条約をより強力に実現させるための文書で、条約と同じ効力があります。日本は20 年間、批准を勧告されても「検討中」と拒否し続けています。

  

■選択議定書を批准すると、どんな良い点があるの? 選択議定書には個人通報制度があります。 

例えば、民法750 条は結婚する夫婦に同一姓を強制しています。96%の夫婦は夫の姓を選び平等ではない。A さんは別姓も選択できる制度を要求して最高裁まで闘ったが敗訴!もう絶望です。しかし、批准していると国連女性差別撤廃委員会に通報できます。委員会は日本政府に民法改正の勧告を出すでしょう。政府が勧告に従い法律を改正すれば、通報した個人はもちろん、別姓も選択できる制度が実現し、社会がより平等に、女性が自由に生きやすくなります。でも、加入していないため通報できません。


2 月14 日「選択議定書 10 月までに批准!」キックオフ集会が開催されました。


会場は満員で熱気に溢れ、議員も17名参加、各NGO 代表も熱く批准を訴えました。

政府に10 万近い署名を提出、地方議会の意見書採択も212議会、活動の成果です!

関心のある方は、主催者「女性差別撤廃条約実現アクション」のHP をご覧ください。

声を上げなければ、実現しない!

一緒に歴史を進めましょう!