31104周年を1週間前にして、大韓民国の国運が深刻に揺れ動いています。「新冷戦」を彷彿とさせる国際秩序の中で尹錫悦政権は、日本のインド太平洋戦略の下部パートナーを自任して軍事協力に熱をあげています。独島を自分の領土だと国際社会に繰り返し発信する日本に対峙せず、海上自衛隊を独島近海に引き入れて旭日旗に敬礼し、足枷にしかならない首脳会談を懇願し、低姿勢・屈辱外交で一貫してきました。露骨に中国とロシアを敵に回して甚だしい貿易赤字と経済危機も招いています。ついにはソウルの真ん中で開かれた日本天皇誕生パーティーで、君が代が響き渡る恥辱まで全国民に味合わせました。



 

 このような中で歴史問題は早く処理すべき障害物にされ、福島放射能汚染水の放流問題は明白に予想できる結果すら縮小・無視されています。これに反発したり批判的に神経を尖らせる市民団体には各種の監視と捜査、強引な起訴とマスコミフレームで「非道徳」のレッテルを貼って猿ぐつわをはめようとします。一言でいって、全部「踏みつけて押し進む」がこの政府の基調になったようです。

 



 韓国政府と日本政府は先週、連続的に外務次官・大臣会議を行ないました。主な議題は強制動員問題でした。戦犯企業と戦犯国家の公式的な謝罪と法的賠償が排除されたまま、韓国企業の寄付金で保障するという案を解決策だと執拗に掲げて日本政府の「誠意」と「呼応」にすがり付く基調に変化はありません。31節以前に何としても「解決」させるというタイムラインを設けて代理人団が密かに接触して被害者を懐柔しようとしたことが露見しました。

 



 余りにも惨めて恥ずかしい限りです。強制動員被害生存者の梁錦徳(ヤン・クムドク)ハルモニは政府解決案に対して、「飢死しても韓国側のお金は受取らない。日本に行って苦労したから、日本から堂々とお金を受け取る。政府と大統領は日本側なのか私たちの側なのか分からない。全員辞職しろ!」と声を高めて韓国政府を強く批判しました。「これまで流した涙で船が浮いても余りある。他の人が代わってお金を払っても、それが何になる?日本から梁錦徳はどれほど無視されたか?万一、他の人が渡しても絶対に受取らない」と朴振(パク・チン)外交部長官に直接書簡を送りました。先週にはソウルに直接来て国会議員たちと懇談会を持ち、外信記者会見を行いました。加害国・日本に対する憤りを余すことなく表し、謝罪を受けるために30年以上闘争してきた思いを吐露しました。

 



 これに正義感のある大韓民国の市民たちも呼応しています。外交部が妨害して取り消した大韓民国人権賞、国民勲章叙勲授与を国民が代わって送ろうという運動が始まりました。全国各地で自ら作ったプレートを掲げて1人デモを展開しました。日帝の強制動員犯罪に免罪符を与える政府の解決案を糾弾し、日本の謝罪と戦犯企業の直接賠償の履行を要求する国会議員の会が公式出発し、国会決議案も発議されました。

 



 今からでも尹錫悦政権は被害生存者たちの勇気と長い闘争の時間に応答しなければいけません。卑屈な姿勢で加害者に懇願するのではなく、大韓民国の国際的な地位に合わせて国民の苦痛に耳を傾け、加害国と戦犯企業に堂々と要求し、自ら責任を負う姿を見せるべきです。被害者たちが苦労して勝ち取った法的権利を加害国に売り渡そうとするどんな企ても中断すべきです。

 



 正義記憶連帯は韓国政府の屈辱的な強制動員解決案を強力に糾弾し、歴史問題の正義ある解決のために最後まで被害者たちと共に闘います。「戦争のない世界を未来世代に譲渡さなくてはいけない」といった金福童(キム・ポットン)の希望、「謝罪の一言を聞きたい」といった梁錦徳ハルモニの願いを必ず実現させるために努力します。過去、韓国政府が犯した非人道的犯罪行為に対する直視は勿論、植民地冷戦分断体制の終息と東アジアの恒久的な平和のために、「韓日歴史正義平和行動」の市民たちと固く連帯して果敢に活動します。

 



 2023222

 正義記憶連帯 理事長 李娜榮(イ・ナヨン)



(訳 権龍夫)