「苦痛と一緒に苦闘すると、希望の波になったよ」
(韓国語原文 http://blog.daum.net/hanagajoah/1654 )
2017.2.1
始めることは半ば遂げることだと言いますよね? だから正月[陰暦]の連休中に、「始めるべきだけれど、最後までやれるかしら?」、そんなためらいの時間を持ちました。そして遂に2017年をこのように新たに始めてみようと思います。

便りの名前を何にするか悩んで、尹美香が伝える『ナビ[蝶]の夢便り』に一応決めてみました。私が所属している所が1カ所ではないことを思うと、そのようなやり方で一緒に編集して送ろうと決めました。そして今日の最初の便りの見出しを、「苦痛と一緒に苦闘すると、希望の波になったよ」と、してみました。

簡単ではないけれど日々の活動を記録し、その記録を日本軍性奴隷制問題を解決するために、物心両面で声援して下さっている多くの方々と意思疎通して、関心がなかった方々の心をコツコツ叩いてみようと思います。

私が所属している挺対協、正義記憶財団、韓日合意無効・正義ある解決全国行動、平和の碑全国連帯の活動を中心にして報告するので、「日本軍性奴隷制」問題についての全活動をすべて反映することは出来ないかも知れません。この点を参照して便りを読んで下さるようお願い申し上げます。新年が、大きな喜びを享受することのできる、そのような希望の年になることを心より願っています。

1カ月の消息を記録してみると、あまりにも長く、2月からは途中、途中で分けて、お送りすべきでしょうね。1月は、忍耐強く読んで下さるよう要請致します。ありがとうございます。


【挺対協事務所の状況】

1. 日本政府と右翼、さらには外交官僚たちが連携して攻撃している挺対協、去る2015年12月28日以降は、韓国の右翼諸団体まで加勢して攻撃している挺対協、実際には私を含めて10名にもならない女性たちが集まって仕事をしている所です。

ソウル麻浦[MAPPO]区、ワールドカップ路11道12番地(城山洞[SONGSANDONG]39-3番地)、イガンガ・ゲストハウス地下2階に、挺対協と正義記憶財団が入居しています。挺対協と正義記憶財団があるこの事務所は、元々は挺対協単独で使用していた所でし
たが、財団のお金を節約するために1つの空間を2組織で分け合って使うことにしました。そうしてみると少し狭いです。昨年末と今年の初めは、完全に倉庫を彷彿とさせる水準でした。今は随分と整理整頓されて、誰がいらしても安定した状況で、一杯の温かいお茶でおもてなしさせて頂けます。私たちは、時に「城山洞39-3番地の女性たち」と呼ぶこともあります。そして39-3番地から50メートルほどの路地の奥に歩くと、黄色い蝶々たちが、いらっしゃいと手招きしている「戦争と女性の人権博物館」があります。今後、挺対協、正義記憶財団、戦争と女性の人権博物館がある「ワールドカップ路11道」を「平和の路地」にするのが夢です。^^

2. 城山洞39-3番地の事務所には、さまざまな電話が掛かってきます。被害者の電話もありますが、市民の電話も多いです。事業を提案したり、叱ったりもします。ところで最近、私たちの活動家たちの神経を逆立てる電話があります。日本の右翼なのか、韓国の右翼なのか分からない男性が、毎日まったく同じ時間に電話をしてきて、録音をすると前提しながら、何故少女像を建てるのか、何故デモをするのか、などと質問をします。私たち活動家は、怒らないでおこうとしますが、簡単ではありません。

3. 年末調整の季節:挺対協、博物館、正義記憶財団の3機関の会計担当者は、年末調整の時期を控えて、支援者名簿と支援内訳を国税庁の年末調整関連サイトに登録し、これと関連した電話やメールに回答しています。正義記憶財団は、今年は直接いちいち領収書を発行するなど、こまごまとした仕事が、週末も、時には昼夜を問わずに続いています。

4. 事務所のコーヒータイム:事務所では、昼食の後で、時々、阿弥陀籤をします。活動家たちがコーヒーを買いたいとか、ケーキを買いたいとかという気持ちが生じても、その権限をやたらに与えられない所に、私たちの事務所があるのです。もちろん、特別な方たちの場合、例外を許可します。^^ 一度、池銀姫[CHI UNI]正義記憶財団理事長が事務所に来られて食事を一緒にされ、阿弥陀籤に参加されたところ、光栄にもバッチリと最初に当り籤を引かれました。阿弥陀籤によって当り籤を引いた人だけが持つことのできる『謹んで奉る』権利ですよね。「ハハ、ホホ」と笑い声が伴う感動を満喫し、午後の仕事を開始する気分を一度味わってみられることを・・・。

5. 2017年を開くワークショップ:尹美香、韓國琰[HAN GUGYOM]、金善實[KIM SONSHIL]共同代表を含む、博物館、正義記憶財団、挺対協など、全体の機関常勤活動家が、1月20~21日の1泊2日、安城[ANSONG]ヒーリングセンターで、2016年の評価と2017年の事業方向および計画のためのワークショップを持ちました。

6. 会計監査、業務監査を受けるのに精を出した活動家たち、総会までは、まだまだ精を出すことが続きます。1月26日、午前10時から始まった2016年度挺対協会計監査と事業監査が、午後3時半に終わりました。今や2016年が過ぎ去った感じです。監査をされた方も、監査を受けた私たちも、ほとんど力が尽きました。数日、夜の時間を、私たち活動家と共に、総会と監査の準備などでほとんど徹夜したので、ほぼ虚脱状態です。朴(PAK)ノスク、金ヨンジュ監査。ご苦労様でした。


【寄付便り】

正義記憶財団で行われている「ハルモニと手をつなぐ20万人同行者」参加キャンペーンを共にして下さる方々がいます。まだ本格的に広報できていないのに、たちまちこの活動が大きく広がって行くようです。20万人同行者の中に、感動的な幾つかの事情を分かち合おうと思います。

1. 1月3日、天使が送ってくれた手紙を一通を受け取りました。唐津[TANG JIN]市から、タプドン小学校2年生の子どもが手紙を送ってきました。その手紙の中には5万ウォン札4枚、20万ウォンの後援金と一緒に手書きの手紙がありました。

「こんにちは。私は、タプドン小学校に通っている2年3組の李[I]ナヨンと言います。去年の誕生パーティーの時、友達がプレゼントの代わりにラーメンをくれたんですよね。それを寄付して、母さんと父さん、叔母さんたちが、よくやったと褒めてくれました。そして、今回の誕生日には、パーティーの代わりに、そのお金を良いことに使うことにしました。風邪やインフルエンザに用心なさって、インフルエンザは、一人が罹るとうつることがあるので、用心なさって下さい。ナヨン 拝」

 私たちを明るく笑わせてくれ、私たちの社会に希望を確信するようになる、そのような手紙でした。本当にありがとうございます。

2. 済州[CHEJU]島のコッチャワル小さな学校[#1](校長 文[MUN]ヨンポ)から、子どもたちが、正義記憶財団に20万同行者支援金2,510,620ウォンを支援して下さいました。

コッチャワル小さな学校は、アジアの将来の世代と希望と平和を分かち合うために、2007年から毎年、「アジア幼馴染み平和基金」を募金してきたと言います。2007年から、平和市場と募金キャンペーンを通して、アリのように、カタツムリのように集めて、2015年までに約3千5百万ウォンとなり、そのように集めたお金3千5百万ウォンを、時々に、紛争と戦災により痛みを味わっているアジアのあちこちに送って来ました。東ティモール、チベット、フィリピンのミンダナオとボホール、インドのダラムサラ、ミャンマー、ベトナムのドンナイ省とビンホア村、インドネシアのアチェ、ネパールのシンドゥ・パルチョーク、済州の江汀[KANGJONG]村、戦時性暴力被害のためのナビ基金・・・2016年度も平和基金5,021,241ウォンを集めて、その寄付金を「日本軍性奴隷問題の解決のための正義記憶財団同行者基金」と、「ネパールのシンドゥ・パルチョークのカティマ村の子どもたちのためのコーヒーの木基金」に支援することにしたと言います。特に、今回の平和基金の元金は、子ども会「オドルトギ」[#2]と大学生組織「千里の道の友達」が、旅行するときに節約して集めた300万ウォンと、開校10周年募金キャンペーンの時にコッチャワル小さな学校に参加して支援する人々が集めてくれたと言うので、その感動の深さが加わります。

(訳注)
#1 「コッチャワル小さな学校」は、済州島にあるフリー・スクール。コッチャワルは、済州道の原生林を指す済州島の固有語。
#2 「オドルトギ」は、済州島民謡の中でも最もよく歌われるものの1つ。

3. 過去25年の間に街頭で綴った本「25年間の水曜日」の印税を、「小惑星」出版社からまた受け取りました。その前に綴った「20年間の水曜日」は、著者の原稿料と印税などの一切を、戦争と女性の人権博物館の建設のために支援しました。そして去年、増補版として出た「25年間の水曜日」は、著者が受け取るすべての収入を、ナビ基金に支援してきています。

今回受け取った印税は、合計2,153,993ウォンです。このうち100万ウォンを正義記憶財団募金に渡しました。そしてナビ基金の活動に50万ウォンを支援し、30万ウォンを甲乙[KABUL]オートテック支会の労働者たちの闘争に15万ウォンを補助し、50万ウォンを世越[SEWOL]号家族協議会の活動に後援しました。このように後援するようになると、実に幸せな気分です。ところで、「25年間の水曜日」がベストセラーにならずにいるのは不思議ではないですか? ^^ プレゼントにも本当に良いです。

4. インターネット・クラウド・ファンド・サイトであるタンブルバック[TUMBLBUK]から、正義記憶財団の資金調達と少女像の意味を伝えるために行われたプロジェクト「少女と手をつなごう-日本軍「慰安婦」被害者を記憶する同行」が完了しました。総計3,873人が参加し、これにより配送などの経費を除いた金額、約1億1千8百万ウォン余りが支援されました。

5. ハルモニと手をつなぐ20万人同行者に申請するには、http://goo.gl/kyR2we

* 20万人同行者後援金の口座は、069137-04-014198 日本軍性奴隷問題解決のための正義記憶財団


【水曜デモ便り】

1. 1月8日は、1992年1月8日に始めた水曜デモが、満25周年になる日でした。これに先立って、1月3日の水曜日、1265回水曜デモを、25周年記念の水曜デモとして行いました。

約500人の市民が参加し、他の場合と同様に、80%は小学生の子どもから、青少年、青年たちでした。金福童[KIM BOKTONG]、吉元玉[KIL WONOK]ハルモニを始めとして、船城[CHUSONG]高校の生徒たち、マリーモンド、子どもコープ生協、歴史問題研究所、富川[PUCHON]高校歴史サークル「希望ナビ」、大学生共同行動、社会的協同組合「サルパン」、梁山[YANGSAN]女子高校、テヨン高校、シンチョン小学校、韓国殉教福者修道女会、華城[HWASONG]市パンソク小学校、平和ナビ・ネットワーク、ワシントン希望ナビ、日本軍「慰安婦」研究会、劇団「クジラ」、新しい世の中を開くカトリック女性共同体、李美卿[I MIGYONG]前議員、洪翼杓[HONG IKPYO]議員、日本軍「慰安婦」合意反対と正義ある解決のためのカトリック全国行動の会員たちが、一緒に参加しました。

特にこの日、平和の少女像の作者である金ソギョン、金ウンソン氏が、今まであきらめずに水曜日ごとに、私たちと街頭に立っておいでになった吉元玉、金福童ハルモニに、お二人の姿を描いた造形物を獻贈して、私たち皆を驚かせ、金福童ハルモニを喜ばせてくれました。金福童ハルモニは、「皆さんの力によって、気力を出して暮らしている。」とおっしゃり、朴槿恵[PAK KUNE]の即時辞任、日韓合意無効を叫ばれました。「どんなことがあろうとも、私たちは、日本政府に法的謝罪を受け、補償を受けるだろう」とおっしゃり、国民を信じる他にないから、協力してくれるよう要請する発言をされました。

2. 1月11日、1265回定期水曜デモは、400人余りの市民が参加した中、梨花[IHWA]女子高チュモクトッキ(#3)の学生たちが主管して行なわれました。この日も、梨花女子高校の生徒をはじめ、加平 [KAPYONG] 北中学校、議政府[UIJONGBU]女子高、以友[IU]高校、坡州[PAJU]青少年行動、議政府クミルム学校(#4)、麻浦[MAPPO]高校などの青少年たちが大勢参加し、東国[TONGGUK]大学教育放送局、大学生共同行動、平和ナビ・ネットワークなど、大学生、青少年たちも、一緒しました。1995年から毎水曜日に平和の祈りを続けて参加している修道女さまたちも一緒して、今週は、マリアの宣教師フランチェスコ会の修道女さまたちと、マリアの娘修道会の修道女さまたちがおいでになりました。マリーモンド、劇団クジラ、セギル教会も一緒し、正義党秋恵仙[CHU HESON]議員もご一緒下さいました。

(訳注)
#3 サークルの名前で、旧石器時代の石器の名称に由来する
#4 クミルムとは、「夢の実現」という意味で、地域で行われている自主的教育の場。

3. 1月18日、1266回定期水曜デモは、約400人の市民が参加した中で、九老[KURO]女性会が主管して行われました。九老女性会、九老平和の少女像青少年守り手、民衆連合党・母親党、マリーモンド、大学生共同行動、南楊州[YANGJU]ヌルプルン青少年委員会、クミルム学校、議政府市平和探し三万里、唐津[TANGJIN]高校、平和ナビ・ネットワーク、始興[SIHUNG]高校「トゥビンナレ」、済州[CHEJU]青少年平和ナビ、全羅[CHOLLA]北道益山[IKUSAN](社)夜明けの露、劇団クジラなど参加しました。特に梨花女子大学で行われているEGEPプログラムに参加するアジア各地の女性も様々なプラカードを直接作って参加しました。

4. 1月25日、1267回定期水曜デモは、旧正月連休を控えた水曜日であったにもかかわらず、多くの人が参加し、日本大使館前が人々でぎっしりと埋まりました。富平[PUPYON]高校のサークルHITの主管で行なわれ、1月18日に亡くなった朴チャスン・ハルモニの追悼儀式を一緒に行いました。そして、金福童、吉元玉ハルモニに、参加者たちが路上でお正月の挨拶を申し上げ、ハルモニは、お年玉も受け取りました。

水原のサニ小学校の5年生は、フルートとバイオリンで、「レ・ミゼラブル」を演奏し、サークルHITは、「シンデレラ」の劇の公演を披露し、多彩な水曜デモの姿が作りだされました。


【ハルモニ便り】

挺対協事務所は、ハルモニたちやハルモニたちの家族と努めて会い、電話もし、意思疎通を図っています。時には共に泣き、時には一方的に非難され、また時には感謝の挨拶を受け、また時にはお泣きになる際に、その時が幸せな時であることを私たちはあまりにもよく知っているので、ひたすらすべてが感謝するだけです。

1.全国のハルモニたちに、快適な睡眠をおとりになるようにと、健康枕と冬の肌着を、また全国農民会が送って下さった米などを、新年の贈り物としてお渡ししました。健康枕は、「健康分かち合い協同組合」にて、直接、健康に良い薬草を入れて作って下さいました。

2. 新年初めてのハルモニ訪問活動を、1月13日、慶尚 [KYONGSANG] 道地域のハルモニ訪問によって始めました。

(1) 慶尚南道昌原[CHANGWON]にお住まいの金ギョンエ・ハルモニは、健康状態が良くなくて療養病院に入院されました。食事も全くおできにならず、鼻腔栄養を受けておられます。手術も不可能で、薬だけで治療をされている状況です。手に余るけれども、挺対協から持って行った贈り物もつくづくと眺められ、掛けた言葉に答えもして下さり、活動家たちが病室を出て来るときは、娘さんと腕組みをして病室の外まで見送りに出て下さり、手を振って下さりもしました。

(2) 昌原の金ヤンジュ・ハルモニは、病床に伏せられてから既に2年になります。ハルモニも鼻腔からの流動食で食事を召し上がっておられます。今回の訪問時には、顔色も少し良くなられ、「ハルモニ~」とお呼びすると、目を大きく開けて視線を合わしもされます。人が動いて呼べば、少しずつ瞳があちこちと動くのを見ると、少し良くなられたみたいです。介護者によると、気分が良い時には、ご子息と簡単な会話もされると言います。

(3) 昌原の金**ハルモニは、サツマイモと卵を茹でて、ヨーグルトを準備して待っていて下さり、活動家たちをもてなして下さいました。ハルモニのお供をして近くの食堂で食事をしながら、ソウルのシュイムト[休息所](#5)に来られた話しをし、ハルモニの健康についての話しをし、他のハルモニたちの消息についても話しを交わしました。

(訳注)
 (#5) ソウル市麻浦[MAPPO]区延南[YONNAM]洞にある挺対協が運営する施設で、「平和のわが家」とも呼ばれる。金福童ハルモニや吉元玉ハルモニも、ここで暮らしておられる。

3. 水原の安[AN]ジョムスン・ハルモニのお宅は、1月だけで3回訪問しました。1月17日には、マリーモンドと一緒に訪問して、ハルモニと打ち解けて話をして、1月20日と23日には、尹美香代表が訪問をし、ハルモニにプレゼントも渡し、最近の日本軍性奴隷制問題と関連した消息を分かち合いました。ハルモニは最近、「和解と癒し財団」の金兌玄[TEHYON]理事長がハルモニを訪問し、日本政府の法的賠償ではなく、1億ウォンを受けとるよう説明し、長い時間説得作業をしたにもかかわらず、堂々と拒否し、「私は、日本政府を訴訟に掛けた」と話し、2015年12月28日の韓日合意が、被害者たちにとって解決ではないことを確認させて下さった方でもあります。

4. お誕生日を迎えられたハルモニたちを、特別にまとめて、お祝いして差し上げました。

1) 統営[TONGYONG]の金ボクトゥク・ハルモニの100歳の誕生祝いの宴にご一緒しました。ハルモニは、脚が随分弱くなり、歩くことがお出来にならないけれど、普段は召し上がれないものがなく、よく召し上がり、よく話されるなど、健康状態は良い方です。チマ・チョゴリを綺麗に着飾られて、ベッドのまま地下の誕生祝いの席へとおいでになり、そこで車椅子に移って座られた状態で、誕生祝いの宴をご一緒されました。宴の間、甥御さんが横からハルモニの手を握り、ずっと話を交わしていました。正義記憶財団からハルモニに、誕生日祝い金をお渡ししました。

2) 潭陽[TAMYANG]の郭[KWAK]イェナム・ハルモニの93回目の誕生日の祝賀行事が、全羅[CHOLLA]南道地域の市民団体を中心に行なわれました。「潭陽平和の碑推進委員会」は、ナムルやワカメ・スープや果物を用意して来られ、「順天[SUNCHON]平和の碑」では、美味しい誕生餅、「海南[HENAM]ナビ」では、バースデーケーキを準備するなど、本当に皆の誠意と連帯で、ハルモニの健康を願ってお祝いをしました。潭陽地域自治会長さんや他の面(#6)の里長(#7)さん、クィチョン住民など、地域のキャンドルがすべて一緒に参加して下さいました。本当にありがとうございます。挺対協と正義記憶財団は、活動家たちが一緒には出来ませんでしたが、お祝い金を海南ナビの李ミョンスク代表を通してお渡しました。

(訳注)
(#6)(#7) 韓国の行政区分は、日本の道府県に当たる8つの道と日本の政令指定都市に当たる7つの広域市と首都特別区に分かれている。道の下に市と郡がり、さらに市には区とその下の洞[DON]があり、郡には面[MYON]とその下の里[RI]がある。市町村合併によって、市の中に面があるところもある。

5. 民族の祭日、(旧)正月を控えて、首都圏にお住まいのハルモニたちを訪ねてお会いしました。正義記憶財団の支援で用意した良い韓国牛と「愛の友人たち」が支援したトックッ[餅雑煮]の材料が入った籠を持って、ハルモニ宅を訪問したところ、とても喜んで迎えて下さいました。

ソウルにお住まいの4名のハルモニは、皆さんお名前を明らかにすることを望まれていない方々で、お名は省略します。最初に訪ねてお会いしたハルモニは、笑顔でギュッと抱きしめて下さいました。寒いのにどうして来たのかと心配もし、手も握って下さいました。いつものように、お餅、リンゴ、ミカン、ナツメ茶などをたっぷり出して下さって、おやつを食べながらシュイムトの話、他のハルモニの話、昔一緒にお出掛けした話をしました。昼食の時にお訪ねしてお会いしたハルモニは、腕を組んで食堂に入り、美味しいキムチ鍋を食べました。一人で食べていたが、このように一緒に食べると良い、と笑われます。最後にお訪ねしてお会いしたハルモニは、特別に豆の煮汁で香ばしいトックッを煮て下さいました。お腹が一杯になりましたと申し上げても、全部食べて行けとしきりに注いで下さいます。(旧)正月を控えて、ハルモニを訪ねてお会いし、明るい顔を見て、一緒に笑って、話もしたので本当に良かったです。ハルモニ、今年も皆お元気でいらして下さい。最後に訪ねてお会いしたハルモニは、ハルモニの写真、顔、名前、どれ一つも挺対協に残さないでくれとおっしゃいます。さらには、コンピュータにあるものも全部消してくれとおっしゃり、写真もすべて破り捨ててくれとおっしゃいます。実に胸が痛いですが、それが私たちの現実です。ハルモニとその家族のせいではないので、受け入れる外になく、ハルモニの要請どおりにします。

 咸[HAM]**ハルモニは、家からお供して、ハルモニがよく行かれる馴染みの食堂へ出かけ、一緒に食事をしながら話を交わしました。娘さんの話もされ、女性家族部(#8)の話もされました。ハルモニの部屋にベッドができたのですが、その事情たるや、女性人権振興院に電気カーペットを1枚買ってもらいたいと言ったところ、200万ウォンの石ベッドを送って来たのだが、ハルモニは、随分痩せていて眠ることができないので、これは私に合わないと言ったら、また百貨店から分厚い敷布団を買って送って来たと言います。それ敷いても眠ることができなくて、その上に分厚いマットレスを敷いてお休みになるそうです。石ベッドが無用の長物となった訳です。これぞ正しく、型にはまった支援ですね。ハルモニと別れて出てきながら、空しくて笑いました。

 梁[YANG]ハルモニは、ベッドに寝ておられ、娘さんと一緒に、ハルモニとご家族に関係した消息を分かち合いました。和解癒し財団の事務所より娘さんに電話があり、ニュースで日本が送って来たお金を送り返そうと国民が言っているが、ご覧になりましたか、と訊ねたという話も聞くことができました。

(訳注)
(#8) 韓国政府の「部」は日本の「省」に当たる。

6. 「私の年齢がどうだって! 盛んにデモをするのが好きな年齢なのに」とおっしゃる李容洙[YONGSU]ハルモニは、依然として東にひらり、西にひらりと飛び回っておられます。ある日、大邱[TEGU]におられ、すぐに京畿[KYONGI]道廣州[KWANGJU]のナヌムの家におられる。そのような忙しいハルモニを、1月のひと月間で5回、電話で消息を交わしました。事務所からお送りしたプレゼントはちゃんと受け取られ、シュイムトに潘基文[PAN GIMUN]氏が来ると連絡すると、絶対に会うなとおっしゃるなど、ハルモニの活動力は旺盛でおられます。それでも90になられたからか、腰が痛く膝が痛くて鍼を打って貰っているという話も聞くことが出来ました。

7. 中国で暮らしておられた朴[PAK]チャスン・ハルモニが、95歳を一期として、1月18日のお亡くなりになりました。中国ですから弔問にも行けず、挺対協のホームページやSNSに訃告を掲載し、ハルモニの冥福を祈りました。そして、戦争と女性の人権博物館の追慕館にハルモニを追慕することができるスペースを設置しました。多くの方々が、ハルモニの冥福を祈って下さいました。

8. ソウル麻浦区延南洞のシュイムト[平和の我が家]便り:吉元玉ハルモニは、園芸治療教室に非常に熱心に参加しておられます。押し花で額縁を飾って自慢もされます。やはりシュイムトに暮らしておられる金福童ハルモニは、定期的に眼科へ目の治療に通われ、シュイムトを訪ねてこられる方々に、現政局についての鋭い指摘をされ、連帯を要請されます。水曜日になると、必ず外出する準備をし、日本大使館前へと出て行かれます。李順徳[SUNDOK]ハルモニは、今年、数え年で100歳になられました。しかしハルモニは、依然として病院で過ごしておられます。

ハルモニたちは、新年を迎えて、外交部長官(#9)、女性家族部長官、和解癒し財団から、ハルモニたちに送ってきた贈り物を全部返送してくれとおっしゃり、さらには、北東アジア歴史財団から来た贈り物も、現朴槿恵[KUNHE]政府の贈り物だとし送り返してくれとおっしゃり、事務所で、ハルモニたちの意思通り、そのまま実行しました。

お正月を控え、労働組合の方々、国会議員、崔英姫[CHE YONGHI]、李美郷[MIGYONG]前議員などがシュイムトを訪問され、ハルモニたちに新年の挨拶をされました。国民の党の金三和[SAMHWA]事務総長も訪問され、新年の挨拶をして下さいました。国会女性家族委員会の南仁順[NAM INSUN]委員長をはじめ、委員たちも、26日、シュイムトを訪問され、新年の挨拶をされ、ハルモニたちの話を傾聴して下さいました。忘れずに訪ねて来て下さって本当にありがとうございます。

(訳注)
(#9) 韓国の「長官」は日本の「大臣」に当たる。


【国際連帯活動便り】

1. 日本の東京で開かれた日本軍「慰安婦」問題解決全国行動の会議に出席し、2016年の活動を報告し、2017年の活動について、一緒に討論しました。2015年12月28日の韓日合意以降の韓国の全国的な状況について共有し、「正義記憶財団」を中心に進められている諸活動についてもお知らせしました。いろいろと日本の国内状況は難しいですが、日本軍「慰安婦」被害者たちの人生を記憶し、将来の世代が正しく継承できるようにするための様々な対応について議論しました。

2. 世界的な人権監視団であるヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)が、2017年度年次報告書を発表しました。90カ国以上の国家別人権状況を扱った中で、日本については女性の権利の部分で、韓日日本軍「慰安婦」合意がなされたことを記述して、これに対する女性団体と国連女性差別撤廃委員会の批判と抗議があったと指摘しました。これによると、2015年12月、日本と韓国は、「慰安婦」問題が、『最終的かつ不可逆的に』解決されたという合意を発表し、日本は韓国政府が設立した和解癒し財団に10億円を支給したが、女性の人権を擁護する多くの人々は、被害者との適切な協議が行われていないなどの幾つかの理由によって、強く批判していると指摘しました。また、3月に国連女性差別撤廃委員会が日本に対する定期審議を行い、先に行われた諸勧告を再度提起し、韓日合意では被害者中心のアプローチがなされておらず、韓国だけでなく、フィリピン、中国、台湾、オランダ、インドネシア、東ティモールなど、すべての日本軍「慰安婦」被害者たちに対して、「完全かつ効果的な補償と賠償」を行うべきだという憂慮を示しました。

3. 日本軍「慰安婦」問題解決のための世界1億人署名運動に、1月1カ月間に来たオフラインを通して1万人に近い方々が署名に参加して下さいました。現在までに総計1,986,360名が参加して下さいました。署名は、1億になるまで!、日本軍性奴隷問題が解決されるまで継続します。


【国会対応活動】

1. 正義記憶財団の池銀姫[CHI UNI]理事長、尹美香[YUN MIHYANG]常任理事、金錦玉[KIM KUMOK]理事は、「共に民主党」の禹相虎[U SANGHO]院内代表の部屋を訪ねて面会しました。2015年韓日合意の無効化のための多様な国会対応について協議するためでした。国会決議の採択、10億円の政府予算で日本に返す方法、正義記憶財団に「共に民主党」の議員たちが組織的に加わることなどについて議論し、協力を求めました。

2. 国会議員会館を訪問し、面談活動を行いました。「国民の党」の金三和[SAMHWA]事務総長の部屋を尹美香代表が訪ねて、「国民の党」女性委員会の金ミジョン副委員長と一緒に会い、韓日合意無効化のため、国会決議と10億円の政府予算で返えす問題、正義記憶財団への参加問題など、国会対応を講じて、「国民の党」の協力を求めました。

3. 国会議員会館は、方向音痴、道音痴の尹美香代表には、若干迷路のような所です。金三和議員に会った後、「共に民主党」の權美赫[KWON MIHYOK]議員の部屋を訪ねて行くのに随ぶ~んと迷いました。權美赫議員の部屋で權美赫議員の補佐官朴[PAK]チュミン議員補佐官に会い、国会女性家族委員会の会議で、最近続いている和解癒し財団1億ウォン受領に関する活動についての対応策などを互いに協議し、国会対応についての協力を求めしました。

4. 無所属の金鍾勳[JONGHUN]議員に会いました。日本政府の少女像撤去圧迫と10億円ボイスフィッシング(音声フィッシング詐欺)発言などで急膨張している現況について、国会と市民社会の対応について共に議論し、同じ蔚山[ULSAN]地域選挙区であり、労働者候補である金鍾勳、尹鍾五[JONGO]議員が、行動を共にするとの決意を受け取りました。ありがとうございます。

(訳注)
韓国の国会は一院制で定数は300。国会に議席を持つ政党は、以下の通り。共に民主党[野党](121)、自由韓国党[与党:旧セヌリ党親朴派](94)、国民の党[野党:民主党から分離](39)、正しい党[野党:旧セヌリ党反朴派](32)、正義党[野党:旧民主労働党](6)、無所属(7)。韓国では、国家保安法により統合進歩党が非合法化されている。無所属議員のうちには、この系列の2名の議員が含まれる。


【言論報道便り】

1. 女性新聞の朴キルジャ記者と会ってインタビューを行いました。取材した内容は、女性新聞に「出会い/『正義記憶財団』池銀姫[CHI UNI]理事長、尹美香常任理事」≪韓日慰安婦合意は無効・・・正義ある解決の夢を見る≫として掲載されました。
http://www.womennews.co.kr/news/view.asp?num=111258

2. ポータルサイトのネイバーで、2015日韓合意以降の日本軍「慰安婦」に関する状況を、分野別によく整理して置きました。参照されれば、随分助けになるでしょう。
http://news.naver.com/main/hotissue/sectionList.nhn?mid=hot&sid1=102&gid=1056941&cid=1057783

3. 民弁(民主社会のための弁護士会)が行った2015韓日合意に関する情報公開請求訴訟について、裁判所が韓国政府に開示判決を下しました。ところが、これを不服として、韓国政府が再び抗告を申請したと言います。これについて挺対協は、1月6日に、「韓日日本軍「慰安婦」合意文書情報公開判決歓迎、外交部[外務省]は直ちに関連文書を公開し、屈辱的合意の過程及び内容を明らかにしなければならない」という題名で声明を発表しました。

4. その他にも数多くのインタビュー要請があり、これに応じました。ドキュメンタリー映画を製作しているデジャキノマエム監督とのインタビュー、京畿[KYONGI]放送のラジオ生放送、CBS「時事ジョッキー」のラジオ生出演、TBS「ユ・ヨンファの時々刻々」に生出演、KBS忠清[CHUGCHOG]ラジオの電話インタビュー、SBSスペシャル・チームのシュイムト訪問インタビュー、インターネットサイト「ディンゴ」のインタビュー、SBS「気になる話Y」のインタビュー、YTNラジオニュース「真っ向勝負」のインタビューなど・・・。


【教育活動便り】

1. 1月18日、ソウルYWCAのYティーン青少年会員総会に出席し、尹美香代表が講演を行いました。「解放を夢見る蝶の羽ばたき」というタイトルで、日本軍性奴隷として痛苦の経験をした女性たちの人生とその女性たちに対する韓国社会の責任について、その女性たちが過去25年間に創って来た希望と解放の世の中に向けた根気について、世界の戦時性暴力の被害者たちに向け連帯の羽ばたきを共有しながら25年の人生について、話を分かち合う。ハルモニたちが望む平和を、私が、私たちの共同体がどのように作り出して行くべきかなどについて、一時間の講演を行い、講演後は、学生たちが集めた世界1億人署名も受け取りました。


【ナビ基金便り】

1. ナビ基金は、1月の1カ月、ベトナムのフンイェン省に住んでいる韓国軍性暴力被害者たちへの毎月50ドルずつのナビ資金を送っています。ビンディン省の被害者たちの場合、政府が不許可にしていて、ナビの約束を守ることが出来ずにいる状況です。新年は、難関を克服するために、あらゆる努力を尽すつもりです。

2. コンゴ民主共和国にある「ユシリカ」という戦時性暴力の被害者団体に、毎月500ドルずつのナビ基金を四半期ごとにまとめて送っており、緊急要請に応じて子どもの学費を送っています。2016年には、性暴力被害女性の会「ユシリカ」と子どもたちに、協力団体であるREMEDを通じて、5月と11月にそれぞれ3千ドル、合計6千ドルの支援が、9月には子どもの学費のための特別支援千ドルが手渡されました。この支援金について、コンゴ民主共和国から、1月にナビ基金助成金使用報告書を送って来ました。その便りにはナビ資金を支援されている子どもたちの様子を見るために、毎月学校を訪問しているという知らせ、性暴力防止プロジェクトチームも、子どもの学業状況を一緒に見守っているという便りを伝えてくれました。子どもたちは、授業料が無くてしばらく学校に行けなかったため、うまく適応しているかどうかを見守らなければならないと言います。先の学期に、32人の子どものうち28人が、目立つほど良い結果を見せ、残りの4人もかなり良かったという評価を受けました。ところが、10~12月に再び反乱軍による性暴力事件が31件発生し、その中の17件だけが申告を受けたそうです。被害女性たちの年齢が、ほとんど25歳から35歳であり、18歳以下も5名もいたとの報告をしてくれました。ナビ基金で被害者に対する心理カウンセリングや緊急治療を進めており、専門の相談も行いました。併せて24名の性暴力被害者に、食品(米、大豆、植物油など)と服(コンゴの女性たちの衣服であるキーテンゲ)も、1着ずつ一緒に支給されましたが、クリスマスと新年には、女性と子どもたちが、きっちりと準備して着なければならないというコンゴの伝統に従うためだと言います。物品を分ける間、女性たちは嬉しくて挺対協に感謝の気持ちを表しました。

3. シリア難民性暴力被害女性たちの実態を調査する活動を開始しました。1番目として、フォト・ジャーナリストの鄭[CHONG]ウンジン氏を通じて、シリア難民の女性たちの性暴力被害について、取材を要請しました。今後、アムネスティなどと協力しつつ、シリア内戦性暴力被害者に対する支援活動を広げる計画です。


【戦争と女性の人権博物館便り】

1. 博物館のホームページを紹介します。リンクに従って入られると、より詳細な内容を知ることができます。http://www.womenandwarmuseum.net


** 長い便りをお読み下さり、ご一緒下さってありがとうございます。不足した便りは、挺対協のフェイスブック、ホームページを通して確認して下さり、正義記憶財団の「ハルモニと手をつなぐ20万同行者キャンペーン」も、ご一緒して下さるようお願い申し上げます。同行者申請は:http://goo.gl/kyR2we 
20万同行者支援金口座:国民銀行069137-04-014198、日本軍性奴隷制問題を解決するための正義記憶財団

尹美香 韓国挺身隊問題対策協議会共同代表・正義記憶財団常任理事
* 国民銀行069137-04-014198、日本軍性奴隷制問題を解決するための正義記憶財団
http://www.womenandwar.net / http://foundationforjustice.org
http://blog.daum.net/hanagajoah / http://blog.daum.net/justicefund

(翻訳:赤田正)