〈正義連〉第1771回 日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモ 週間報告および共同立場文(2026.9.23)
■平和の少女像は政治的な利害関係の対象ではなく、記憶と人権の象徴です
■メルボルンで市民が建立した平和の少女像の歴史的意義と価値を守ってください
最近、豪州メルボルンで市民が建立した平和の少女像の存続を巡って憂慮する状況が続いています。
メルボルンでは2019年、市民の参加と努力によりビクトリア州韓人会館前に建立された平和の少女像の存続が脅かされています。ビクトリア州韓人会は10月17日に「政治的中立性の確立」などを主要議題とする臨時総会を開催すると公示しており、この場で少女像の存続の是非も議題として扱われます。
平和の少女像は特定の党派や政治主張を代表する彫像ではありません。日本軍性奴隷制被害者の人生と歴史を記憶し、被害者の尊厳と人権を守り、戦争と戦時性暴力が繰り返されない世の中をつくるという市民の意思が集められた記憶と平和の象徴です。
このような少女像の存続の是非を「政治的中立性」という尺度で判断しようとするのは非常に残念です。歴史的真実を記憶し、人権の価値を守るのは、政治的傾向や利害関係によって左右される問題ではありません。
特にメルボルンでは25年8月15日、ビクトリア州韓人会と「メルボルン平和の少女像連帯」が日本軍
「慰安婦」被害者追悼の日の行事を開催し、「歴史を忘れず、平和と人権の価値を胸に刻む」と表明しました。その場で確認した平和と人権の価値が、わずか1年の間に変わったのでしょうか?
メルボルンの韓人社会には、平和の少女像を建て守るために長年努力してきた多くの市民がいます。市民たちが築いてきた記憶の空間が、政治的判断や利害関係によってその意味が棄損されたり、存続が揺らいではいけません。
米国アトランタでも、韓人会館の前に設置されていた平和の少女像が2024年7月に建物の2階に移され、少女像があった跡地には李承晩とマッカーサーの像の設置が進められています。
さらに懸念されるのは、こうしたことが日本政府が長年にわたり平和の少女像の建立を妨害し撤去を要求してきた状況で起きている点です。日本政府は各国政府や地方政府、市民社会などに対して平和の少女像の建立を妨害し撤去を求めるなど、継続して圧力をかけてきました。
ニュージーランド・オークランドでも、平和の少女像の設置計画が進む中で、日本大使館は設置を妨害し、26年4月に少女像設置は最終的に拒否されました。
このような状況で市民たちが建てた少女像を移動させたり、その存置の可否を政治的な利害関係で再び判断するのは、日本政府の歴史否定や歴史消去に力を与える結果になるでしょう。
平和の少女像は、日本軍性奴隷制という反人道的戦争犯罪の被害を記憶するだけでなく、戦争や植民地支配の中で行われた女性への暴力が二度と繰り返されてはならないとの誓いを含んでいます。少女像を守ることは、被害者たちの声と歴史的真実、そして人権と平和に向けた市民の約束を守ることでもあります。
市民の参加と努力によって建てられ、守られてきた平和の少女像が、どんな思いや意図で作られたのか、その中に込められた歴史的意味や普遍的な人権・平和の価値を、もう一度振り返ってください。少女像を守り、記憶をつないできた市民の声に耳を傾け、この記憶の空間が持つ意味を受け継いでいきましょう。
私たちはメルボルンを始め、世界各地で平和の少女像を守り、日本軍性奴隷制被害者の声と歴史をつなぐ市民たちと連帯します。日本政府の歴史否定や歴史消去に立ち向かい、記憶の場を守り、日本軍性奴隷制のような戦争犯罪と人権侵害が二度と繰り返されない平和な世界のために最後まで歩んでいきます。
2026年9月23日
日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯、ソウル江東区平和の少女像市民委員会、九老平和ナビ、金曙炅(キム・ソギョン)・金運成(キム・ウンソン)平和の少女像アーティスト、金福童(キム・ボクトン)の希望、潭陽平和の少女像連帯、民主主義と民生、社会公共性実現春川共同行動、法人団体水原民主化運動継承事業会、瑞山平和の少女像保存会、世宗女性会、世宗人権広場、少女像テロ極右団体対応共同対策委、順天平和ナビ、水原平和ナビ、シドニー平和の少女像連帯、安城平和の少女像建設推進委員会、安養平和の少女像ネットワーク、議政府平和碑建設委員会、利川平和の少女像記念連帯、日本軍性奴隷制問題解決のための大学生サークル平和ナビネットワーク、日本軍「慰安婦」ハルモニと共にする市民の会、日本軍「慰安婦」のハルモニと共にする馬昌鎮市民の会、日本軍『慰安婦』問題解決のための釜山女性行動、日本軍「慰安婦」ハルモニと共にする統営巨済市民の会、全南進歩連帯、済州平和ナビ、天安女性会、独コリア協議会、平和碑京畿連帯、平和の少女像と共にする春川市民の会、海南ナビ、Friends of Comfort Women in Melbourne(FCWM)、Rosamaria Caiazza―Conceiver, promoter, and organizer of the installation of the Statue of Peace in Stintino, Italy
4か国35団体一同
(訳 権龍夫)