日本政府は715日、2025年版防衛白書で独島が自国の領土であると主張しました。21年間連続です。日本政府は昨年4月に発表した外交青書でも独島の領有権を主張し、強制動員や「慰安婦」被害者の賠償について1965年の日韓請求権協定ですでに解決済みという従来の立場を維持しています。

 


しかし、さらに衝撃的なのは独島が日本の領土に含まれており、東海が「日本海」と表記されている子供向けの防衛白書が冊子となって全国の小学校に配布された事実です。長期的な歴史戦争を体系的に準備しているのです。

韓国の状況はどうでしょうか。

昨年の尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が最も熱心に破壊した分野はまさに歴史です。日本の植民地・戦争犯罪や独裁体制全般にわたる不正と歪曲、さらにはこれを主導している極右傾向の機関長の問題など、一つ一つ挙げることも難しいです。その中でも比較的最近明らかになった「リバクスクール事件(李承晩・朴正熙スクール)」も衝撃的です。放課後教育で小学生に歪曲された歴史認識を植え付けることを目的としており、数多くの極右人物が参加し、これを教育部が事実上支援していたのです。水曜デモを妨害し、日本軍「慰安婦」被害者を「嘘つき」と侮辱し、少女像テロを実行してきた者も講師として活躍していました。

 


惨憺たるありさまです。

教育を通じて正しい歴史意識を教える責任がある韓国教育部がどうしてこのようなことができるのでしょうか。世界中の民主主義が極右の主流化によって危機に直面しており、韓国でも極右の政治家や知識人の詭弁、極右ユーチューバーの根拠のない「妄言」がソーシャルメディアを通じて拡散されている深刻な状況で、教育部がすべきことは何でしょうか。

韓国の2030代の若者の極右化傾向が各種統計資料で確認されており、10代の極右化が深刻な状況にあるというデータも蓄積されている中で、教育部は何をしているのでしょうか。

 


こんな状況で『姉妹交流で日本の大学が不快に思う』と言ってキャンパスに『少女像』を設置することに反対し、設置後には撤去の公文まで送った人物(*)が文部大臣候補に指名されています。この候補者は1989年に日本の東京工業大学大学院で博士号を取得したそうです。1980年代に日本で学位を取得した人にとって、日本という国はどう映ったのでしょうか。幼少期を日本で過ごした尹錫悦が抱いていた『美しい国』という幻想のために、私たちは過去3年間、大きな苦痛を経験しました。文部大臣候補者が持つ対日観、全体的な歴史観が気掛かりです。

 


日本総督府のようだった尹錫悦政権を崩壊させた韓国の民主市民たちは望んでいます。正しい歴史観は公職者の基本中の基本です。植民地・分断・冷戦体制を克服し、既得権を持つ主流極右の暴挙に対抗し、新たな極右化傾向に対応できる人物、急変する世界史の流れを主導し、韓国の100年の教育の大計を再設計できる人物を切に望んでいます。



2025716

正義記憶連帯理事長 李娜榮(イ・ナヨン)

 

 

*)訳注:李真淑(イ・ジンスク)忠南大の前総長を指す。


(訳 権龍夫)