学校・職場・ネット上のいじめ、痴漢、DV、セクハラなどは、民法で不法行為となっていて、被害者は損害賠償を受ける権利があるとされています。でも、このような被害を受けても、私たちは、なかなか訴えられませんよね。ところが、昨年、被害者の権利を後押しする判決が出ました。




それは日本軍「慰安婦」被害者たちが日本政府を訴えた裁判で、昨年11月にソウル高裁が出した判決です。判決は被害者の訴えを認め、日本政府に損害賠償を命じました。しかし、日本政府はこの裁判は「主権免除」という国際法違反だという理由で未だに判決に従おうとしていません。



「国家は他国の裁判権に服さない」という「主権免除」という国際上の規則があるので、日本を韓国の裁判所で裁くことはできないというのです。

しかし、主権免除は今では絶対的なものではなく、たくさんの例外が認められてきていて、日本政府もそのことを認めています。


現在「不法行為例外」が国際法上、有力な考え方になっています。


 B国が、A国でA国の国民に対して人身上の傷害を負わせたり死亡させたりするなどの不法行為を行った場合は、主権免除を否定して、A国の裁判所でB国を裁くことができるというのが、「不行為例外」です日本軍は、朝鮮半島で、当時の国際法や日本の刑法に違反して女性たちを連行して慰安所に入れ、女性たちは日本兵の性の相手を強制させられて心身に深い傷を負い、中には死んだ人もいます。


これは「不法行為例外」に当たるので、韓国の裁判所で日本を被告として裁くことができるのです。



実は日本もこの「不法行為例外」を認めています。「不行為例外」を認めている国連の条約を締結し、「不法行為例外」を認める国内法もあります。


それなのに日本政府は、主権免除があるから、韓国の裁判所で日本を裁くことはできない、この裁判は国際法違反だと言っていますが、筋が通りませんよね。


私たちは日本政府のウソに騙されないようにしましょう。

慰安婦の募集についても、強制連行はなかったと日本政府は言っていますが、これもウソです。当時日本が加入していた国際条約や日本の刑法では、拉致も、だましも、甘い言葉で釣るのも強制連行です。たとえ同意しても、未成年を連行するのは違法です。



 国際社会では、日本軍「慰安婦」制度は、女性に対する重大な人権侵害であり、被害者は主権免除を否定して裁判で救済される権利があると認められているのです。



昨年(2023年)の11月23日の韓国の「慰安婦」裁判の判決は、私たちの人権を守ることにもつながっています。


日本政府がこの判決を履行するようにともに声を上げて下さい。