今年もまた8・14日本軍「慰安婦」メモリアル・デーがやってきました。28年前の今日、金学順(キムハクスン)さんの勇気ある名のり出は、女性の人権回復への道に一筋の灯りをともしました。

理不尽な暴力の下で人生を奪われ、苦痛の中で生きてこられた金学順さんが名乗り出を決意したとき、「私はこのことのために今日まで生きてきた」と語っています。この言葉の先にあるのは、二度と誰にも同じ苦しみを背負わせない、そのためにこれからの人生をかけて闘うという強い意志だったのではないでしょうか。アジア各国で多くの被害者がこの時を待っていたかのように後に続き、日本政府を告発しました。しかし、その後も日本政府からの被害者一人ひとりへの謝罪や賠償はなく、それぞれの国での差別と偏見、無関心が被害者たちを一層苦しめました。

81日に開幕した「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」がわずか3日で中止されることが発表されました。
「平和の少女像」の撤去を求める抗議電話やメール、河村たかし名古屋市長ら政治家たちの検閲発言、補助金交付差し止めを示唆した菅官房長官の圧力発言、そして「ガソリン携行缶を持ってお邪魔する」といった脅迫文に屈してこのような決定をしたことは、結局、この日本社会が「表現の不自由」な状況に陥っていることを世界に示す結果しかもたらしません。また、政治家の検閲や圧力に屈すること、犯罪的な脅迫文に屈することは、今後に累を及ぼす判断と言わざるをえません。これらを助長させないためには、犯罪に対しては取り締まり、検閲に対してははねのける、毅然とした対応を取る以外に方法はないと考えます。中止は最悪の選択です。

私たちは、このような決定を行った「あいちトリエンナーレ2019」実行委員会会長の大村秀章知事及び津田大介芸術監督に対し、直ちにこの決定を撤回し、表現の自由とこの社会の民主主義を問う、本来素晴らしい趣旨の同展示を即刻再開させるよう求めます。