米ジョージア州アトランタ駐在の篠塚隆総領事は地域メディアのインタビューに対し、「日本軍が第2次世界大戦期間に韓国からきた女性を性奴隷としていたという証拠はない」とし「その女性は報酬をもらっていた売春婦だった」と語ったという。
 これは、日韓合意後も「官憲による強制連行を示す記述はない」「性奴隷ではない」「戦争犯罪を認めたわけではない」等と公言して、日本軍「慰安婦」問題に対する従前の認識を何ら変えることなく、10億円で「解決」を買おうとしてきた安倍政権の姿勢をそのまま投影した発言だ。このような姿勢こそが被害国の反発をかい、ますます解決を遠ざけていることを日本政府は認識しなければならない。
日本軍「慰安婦」制度が性奴隷制度であったことは、国際社会が認める事実だ。また、日本軍の「慰安婦」にされた女性が「報酬をもらっていた」としても、また公娼制度の下で「売春」をしていた女性であったとしても、日本軍が立案・設置、管理・統制した「慰安所」で、日本の侵略戦争遂行の道具として人権を徹底的に侵害されたことは紛れもない事実だ。さらに、人としての自由と自律性を剥奪され奴隷状態におかれていたことも、国際条約に照らして明言できる事実である。そしてこれらの事実こそが、日本軍「慰安婦」問題の本質なのだ。つまり、「報酬をもらっていた」云々は何らの弁明にもならない上に、国際世論の嘲笑と批判を浴びる結果しかもたらさないのである。
政治家や政府高官らが的外れな論点を持ち出して、「慰安婦」問題の本質を誤導しようとすればするほど、問題解決は遠のくことを今一度強調しておく。


日本政府は、紙智子参議院議員が本年6月16日に提出した「国立公文書館から内閣官房副長官補室が本年入手した「慰安婦」関係文書に関する質問主意書」に対する答弁書を27日に閣議決定した。この閣議決定は、これまでの日本軍「慰安婦」問題に強制はなかったとする政府の見解を大きく見直すものであり、「慰安婦」問題の解決にとって重要な政府見解として注目される。

答弁書では、まず初めに、新たに発見した日本軍「慰安婦」資料として、いわゆる東京裁判およびアジア各地で行われたBC級戦争犯罪裁判の関係文書182点を本年2月3日に政府が入手したことを認めた。
次に、この答弁書は、これまで日本政府が存在を認めていなかった軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述が存在していることを初めて認めたものである。
さらに、日本軍の「慰安婦」制度が「人道及び国際条約の侵反行為」であり、「戦争の法規慣習に対する違反行為」であると裁判で認定され、「強制売淫の為の婦女子の連行、売淫の強制、強姦なる戦犯行為」として判決され、記述されていることを閣議決定で認めたものである。そして、この裁判はサンフランシスコ平和条約で日本が受諾しているものである。