ベルリン州参与諮問委員会が、平和の少女像を記念碑として保護するよう要請
以下は要請の内容です。
ベルリン州参与諮問委員会は、モアビットにある日本軍「慰安婦」記念碑とブランデンブルク門の近くにある国家社会主義下で殺害されたシンティ・ロマの記念碑を保護するよう求める。
2024年11月25日の決議案にはこの2つの記念碑について「(省略)…この二つの記念碑には、欧州連合条約(EUV)第3条、欧州連合機能条約(AEUV)第167条および文化財保護法(KGSG)にもとづき、自由と、抑圧に対する抵抗の欧州共同文化遺産の一部として保護しなければならない」と明記されている。
ベルリン州参与諮問委員会は、政治的迫害と虐待の犠牲者を称え、現在脅威にさらされている2つの重要な記念碑を保存するための措置を講じるよう、ベルリン州上院都市開発・建設・住宅省およびその他の関係機関に要請する。
根拠
両記念碑は、自由と抑圧に対する抵抗の共同文化遺産を保存する上で重要な役割を果たしている。
また、この措置は、欧州条約や文化財保護法などの法的根拠に基づいている。
1. 欧州連合条約第3条第3項:欧州連合は、文化的及び言語的多様性を尊重し、欧州の文化遺産、特に、自由と抑圧に対する抵抗を象徴する記念碑が保護・促進されることを保証する義務がある。
2. 欧州連合機能条約第167条:欧州連合は、各国の国家的・地域的多様性を尊重すると同時に、ベルリンの当該記念碑のようなヨーロッパの重要な文化遺産を保護することにより、加盟国の文化の発展に貢献しなければならない。
3. 文化財保護法:文化財保護法は、ドイツ国内の文化遺産を保護するための法律であり、欧州の規定を国内法に反映したものである。この法律に基づき、関係当局は、ドイツおよびヨーロッパの文化遺産として重要な記念碑を保存し、保護する義務がある。
これらの記念碑は、単なる地域的な意味を超えて、ヨーロッパ的にも重要な文化遺産である。これらは、文化的多様性を尊重し、社会的排除を防止し、抑圧に対する抵抗の共同遺産を保存するという欧州連合とドイツの目標にも合致している。これらの記念碑の保護は、欧州の追悼文化を保存し、将来の世代が戦争・迫害・抑圧の悲惨さを学ぶことができるようにするために重要である。また、現在増加している極右的な傾向と記念碑の喪失の脅威の中で、強力な対策が必要である。
要求事項
ベルリン州参与諮問委員会は、記念碑を恒久的に保存することに加え、「自由と抑圧に対する抵抗という共通の文化遺産の一部として、この記念碑の重要性に対する大衆の認識と教育」を呼びかけている。
また、平和の少女像について「この記念碑は、公共の場でアクセスの可能な場所に保存されなければならない」と明記している。コリア協議会は、ベルリン州参与諮問委員会の決定と、自由、正義、抑圧に対する抵抗の象徴的な意味で平和の少女像を保護するという意志を歓迎する。
2024年11月25日 ベルリン州参与諮問会議の決議案の全文と具体的な要求事項は、こちらからご覧いただけます。
landesbeirat_partizipation_beschluss_denkmaler.pdf
(訳 方清子)