〈抗議文〉令和書籍「国史」教科書の検定合格を撤回せよ ー日本軍「慰安婦」問題解決全国行動
抗議文
令和書籍「国史」教科書の検定合格を撤回せよ
文部科学大臣 盛山 正仁 様
令和書籍「国史」教科書の検定合格を撤回せよ
2025年度から使用される中学校教科書の検定で、文部科学省は
私たち日本軍「慰安婦」問題解決全国行動は、日本軍「慰安婦」記
1、令和書籍教科書の日本軍「慰安婦」記述は、史実に反している
令和書籍教科書の日本軍「慰安婦」記述は、「蒸し返された韓国の
(1)強制連行はあったし、強制連行がないから被害がなかったと
朝鮮半島の日本軍「慰安婦」被害者の多くは「いい仕事がある」な どと騙され、意思に反して慰安所に連れて行かれたものであり、そ の史実をあえて無視している。強制的に拉致するのも騙して連れ去 るのも等しく犯罪である。
さらに、中国やフィリピンなど占領地の被害者はほとんどが暴力的 に強制連行されたことは判決、資料、証言で明らかである。「 朝鮮半島」「強制連行」という狭い定義に被害を限定することは、 加害の過小化、歴史の隠蔽である。
さらに、中国やフィリピンなど占領地の被害者はほとんどが暴力的
また「戦場を連れまわした事実はない」と言うが、これが史実に反
《 原告は、その後、漢口の別の慰安所に移され、さらに岳州、応山、 長安、蒲圻、喊寧等の各慰安所に移され、1945年(略)の第二 次世界大戦終了時までそれぞれの慰安所で慰安婦として軍人相手の 醜業(ママ)に就くことを余儀なくされた 》とあるように、原告の宋神道さんは「部隊付き」として、文字通 り戦場を連れまわされたのである。
日本政府は1993年、政府調査結果報告文書の中で《 慰安婦たちは戦地においては常時軍の管理下において軍と共に行動
(2)日本軍「慰安婦」被害者は性奴隷である
次に、「報酬をもらって働いていた」という文脈から、朝鮮人女性
前述の宋さんの判決の事実認定には《 兵士は朝から夕方まで、下士官が夕方から午後9時まで、将校がそ れ以降と決められていて、連日のように朝から晩まで軍人の相手を させられ、通過部隊がある時は特に数十人に達した 》とあり、拒否したり逃亡すれば殴る蹴るの暴力を受けた。事実、 宋神道さんの体には日本兵による刀傷が残っている。河野談話では 、《 慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであっ た 》と明確に認定している。
日本軍「慰安婦」問題の本質は慰安所における性行為の強制性にあ
2、吉田清治証言を歴史の教科書で取り上げることは不適切である
同コラムの本旨は吉田清治証言にある。《このような事実に反する
日本軍「慰安婦」問題が世界中に知られるようになったのは、19
現実の研究によって吉田清治証言はとうに乗り 越えられているというのに、令和書籍教科書は吉田清治証言が「 噓」であったということによって日本軍「慰安婦」問題すべてが否 定されるように主張している。これは歴史を否定する行為であり、 歴史の教科書に許されない詭弁である。
3、河野談話で世界に向けて約束した歴史教育を、文部科学省は遵
1993年の河野談話において日本政府は、《 歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直
文部科学省の義務教育諸学校及び高等学校教科用図書検定基準には
このような教科書を合格させるということは、戦争や植民地支配に
令和書籍教科書を歴史教科書として中学生に手渡すことは、子ども
以上の点から、私たちは令和書籍教科書の検定合格に強く抗議し、 直ちに取り消すことを要求する!
2024年6月
日本軍「慰安婦」問題解決全国行動