新宿区長あて「抗議並びに要望書」を提出しました
新宿区長 吉住健一様
抗 議 並びに 要 望 書
去る9月28日、ベルリン・ミッテ区に「平和の少女像」が建立されたことが報道されました。翌29日、加藤勝信官房長官が像撤去要請の意向を表明しました。
私たちは、吉住新宿区長が日本政府の意向に同調し、10月21日、ミッテ区長あてに「特定国を対象として戦争犯罪を表す像が第三国の公有地に設置される運動には、違和感をもっています」との書簡を送ったことに、大変失望すると同時に強く抗議いたします。
ドイツは、ベルリン市の中心にホロコーストの記念碑などを建立し、ドイツが犯したユダヤ人虐殺をはじめとする戦争犯罪を記憶・継承し、後世代が同じ過ちを繰り返すことがないようにと学び続けている国です。
今回、ベルリン市民は日本軍「慰安婦」被害者が受けた残酷な体験が二度と引き起こされないように、女性への性暴力の根絶を願い、女性の人権の確立をめざし、平和を願うシンボルとして「平和の少女像」を建立しました。
日本軍「慰安婦」問題は、日本と韓国の間だけの問題ではありません。
「平和の少女像」は中国・フイリピン・台湾・インドネシア・東チモール、マレーシア・オランダ等にも存在する「慰安婦」被害女性の思いと願いが込められたものでもあるのです。
友好都市である新宿区の区長が、「平和の少女像に違和感を覚える」とミッテ区に伝えたことは、不当な圧力あるいは他国への介入とも受け取られかねない不適切なものです。
今回、新宿区長は日本政府と足並みを揃えましたが、日本政府の狭量な女性の人権を無視しようとする姿勢は、国際的な潮流にも反し恥ずべきことでしかありません。
今後、国から要請があったとしても多文化共生の街作りをし、平和を求める新宿区としての姿勢を生かし、他国の市民運動に介入しないように強く要望いたします。
2020年12月9日
日本軍「慰安婦」問題解決全国行動
戦時性暴力問題連絡協議会
連絡先:i_zenkokukoudou@yahoo.co.jp
◆吉住健一新宿区長がベルリン・ミッテ区へ送った書簡は新宿区のHPにUPされています。
https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000297642.pdf