〈全国行動声明〉韓国検察の捜査結果が明らかにしたもの  正義連の「不正疑惑」は虚構だ








「疑惑」の核心部分は全て不起訴

 9月14日、韓国検察が「挺対協・正義連に関わる告発事件捜査結果」を発表した。5月14日以降、団体や個人から出された17件の告発事件についておこなった捜査の結果、尹美香議員(正義連前理事長)と他1名を在宅起訴した。しかしその中身を見ると、この間「疑惑」の中心となってきた問題については大部分が容疑なしで不起訴になったことが分かる。


 まず検察は、尹氏が団体の寄付金を個人的に横領・流用してきたという「疑惑」の中心にあった娘の留学費や住居購入「疑惑」について容疑なしとして不起訴にした。検察は、尹氏の娘の留学資金は「尹氏夫婦と親戚らの資金、尹氏の配偶者の刑事補償金で充当されたことが確認された」とし、尹氏の住居の購入資金も「定期預金、家族や職員から借用した金員であったと確認」した、「団体の資金がマンション購入に使用されたと見る証拠はなかった」とした。


選挙管理委員会に申告した預金も尹氏が「元々持っていた預金と配偶者の刑事補償金等」であったことを認めた。尹氏の父親を安城ヒーリングセンターの管理人として形式上登録して6年間で総額7,580万ウォン(約700万円)を支給したとする「疑惑」についても、検察は「父親の日記や携帯電話の基地局の位置等によって実際に勤務していた事実が確認される」として不起訴にした。


また、挺対協・正義連に対し会計上の問題で持ち出されていた「疑惑」についても、検察は全て容疑なしとして不起訴にした。

例えば、国税庁の公示について虚偽公示または公示漏れという方法で寄付金を流用したという「疑惑」については、「公示漏れなどの公示ミスが相当にあったが、確認の結果、正常に会計処理はされており、支出にも特別な問題を発見することはできなかった」とした。


また、6億ウォン台の安城ヒーリングセンターを4億2,000万ウォンで売却した「業務上背任疑惑」についても、「(当時の)時価鑑定評価額は約4億1,000万ウォン、買い手がつかず約4年間売却が遅延したこと等を考慮して、背任と見ることはできない」と述べた。


最後に、検察は「その他の疑惑についても綿密に検討したが、容疑点を発見することはできなかった」と結論している。


 尹美香氏に対する無理な起訴

にもかかわらず、検察は尹美香氏に対し無理としか思えない容疑をかけて在宅起訴した。

保守右翼勢力が総力を挙げて尹氏と正義連を攻撃し、検察総長自ら「疑惑の徹底解明」を指示する中、捜査に乗り出した検察が何としてでも尹氏を起訴にまで持ち込むであろうことは当初から予想されたことだった。正義連への告発状を受理した翌日に事務所に家宅捜索に入る等、異例のスピードで捜査を開始したが、核心的な容疑を見つけ出すことができず、実に4ヵ月もの時間をかけて捜査した結果、検察が発表した容疑はあまりにも不当なものばかりだ。


例えば、国庫補助金から人件費を支払われた職員等が団体に寄付をしていたことについて、人件費補助として受け取った補助金を人件費ではない一般運営費など他の用途に使用した「補助金の不正受領及び詐欺」だとした。自らの労働の対価を寄付してまで運動を支えた活動家たちの献身的な行為が詐欺行為とされたのである。


また、安城ヒーリングセンターについては時価よりも高い金額で購入して売却人に財産上の利益を取得させ挺対協に損害を与えた「業務上の背任」だとし、同センターを市民団体等に貸して光熱費や維持管理費程度の最低限の宿泊費を受領したことに対して「未申告宿泊業の運営」だとして「公衆衛生管理法違反」を適用した。


中でも最も許せないのは、吉元玉ハルモニの「心身障害を利用してハルモニが受け取った女性人権賞の賞金を寄付させる等、9回にわたって寄付・贈与をさせた」とし、これに「準詐欺」という容疑をかけたことだ。


私たちは、吉元玉ハルモニが自らの考えと言葉で平和と人権を訴え、自らの意思で様々な寄付行為をおこなってきたことを記憶している。

私たちは、吉ハルモニが「平和のウリチプ」で故孫英美所長や尹美香氏をはじめ正義連スタッフたちに温かく見守られて豊かな余生を送る姿を目撃している。尹氏たち正義連が吉ハルモニと共に泣き、怒り、笑った、その長い時間に「慰安婦」問題に何らの関心も示さなかった人々が、自らの欲望の下、尹氏と正義連をバッシングすることに血眼になり、その論理をそのまま当てはめて検察が起訴容疑としたことは、何よりも吉元玉ハルモニに対する侮辱であり冒涜だ。私たちを感動させ奮い立たせた、あの吉元玉ハルモニの言葉や行動が、自らの意思を持たない者の行為として、検察によって一方的に断定されてしまったのである。


今後も揺るぎなく連帯していく

私たちはこの度の事態が、30年間問題が解決しない中で募った被害者の不安や不満、苛立ちが身近で信頼してきた支援者に向けられたことから生じたものと見ている。従って、問題解決の責任主体である日本政府、そして日本のメディア、日本の市民は、このような事態に対し誰よりも胸を痛め、責任を痛感しなくてはならないと考える。ところが日本の報道を見ていると、独自に取材をして真実を見極めようともせず、韓国の保守メディアの歪曲された報道をそのまま、またはさらにフレームアップして垂れ流している。

運動の中心になってきた人たちが潰れれば日本の過去の罪悪に免罪符が与えられるとでも思っているのだろうか。

日本のメディアは、事実を独自に取材・検討し、問題の本質を正しく報道しなければならない。


日本軍「慰安婦」問題をなかったこと、二度と触れられないことにしたい勢力が日韓で共鳴し合いうごめいている。

しかし30年間、被害者と共に平和と人権の価値を深め高めてきた日本軍「慰安婦」問題解決運動は、このような勢力のいかなる策動にも決して毀損されることはないだろう。私たちは今後も、尹美香議員と共に、正義連と共に、全世界の被害者と今は亡き被害者たちと共に、揺らぐことなくこの道を歩んでいく。


2020年9月17日

日本軍「慰安婦」問題解決全国行動