正義連関連報道に相次ぐ訂正報道措置…会計疑惑めぐる検察捜査も困難に

登録:2020-08-03 06:14 修正:2020-08-03 07:40

言論仲裁委に申請された13件の記事のうち 
「女性家族部への返還金に3千万ウォンの穴」など削除・訂正・反論報道が11件 
 
「マスコミ報道で持ち上がった疑惑すべて調査」方針示した検察 
3カ月間、基礎事実の確認作業中



検察が先月、ソウル麻浦区の正義記憶連帯事務室で、会計不正や安城の憩いの場の高価購入疑惑と関連し、前日から12時間に及ぶ強制捜査後、押収品を車に積んでいる=イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社


 正義記憶連帯(正義連)の「会計不正」疑惑を持ち上げた保守系メディアの記事が誇張されたか、事実ではないという言論仲裁委員会の決定が相次いで下されている。

 2日、正義連と言論仲裁委などの説明を総合すると、「ソウル経済」は5月21日に「正義連が返還したという国庫補助金、記載分より足りない3000万ウォン(約260万円)はどこへ?」という見出しの記事で、「正義連が昨年、女性家族部から受け取った国庫補助金6億3900万ウォン(約5600万円)のうち、2941万ウォン(約260万円)の“穴”が発生した」とし、この資金を正義連側が横領した可能性を提起した。

 同記事は、女性家族部が「日本軍被害者保護施設の運営費支援」などの名目で6億3900万ウォンを支援し、正義連はこのうち使用しなかった残余金の約1億7700万ウォン(約1560万円)を女性家族部に返還したと明らかにしたが、実際には2941万ウォン(260万円)の国庫補助金が返還されず、正義連に残っている可能性があると報じた。正義連がこのお金を横領した可能性があるということだ。

 しかし、正義連が実際に受け取った予算は6億938万4千ウォン(約5400万円)で、記事で報道された予算よりも約3千万ウォン少ない。正義連が公開した女性家族部の「国庫補助金交付決定通知公文」を基準に計算すると、正義連が返還しなかった国庫補助金は“0ウォン”である。「ソウル経済」の記事は初めから事実関係が間違っていたことから始まった誤報だった。結局、言論仲裁委の調停で、当該メディアは同記事を削除し、2日、ホームページに訂正報道を掲載した。

 5月19日、「中央日報」は「ARMY(BTSのファンクラブ)が寄付したダウンジャケット、(日本軍慰安婦被害者の)イ・ヨンスさんとクァク・イェナムさんに渡っていなかった」という見出しの記事で、「正義連が防弾少年団(BTS)のファンクラブが寄付したダウンジャケットをイ・ヨンスさんとクァク・エナムさんら一部の被害者に渡していないという主張が提起された」と報じた。クァクさんの養女の主張を根拠にした記事だったが、実際にダウンジャケットが渡されたかどうかを確認せず作成した記事だった。正義連は「ハルモ二(おばあさん)全員にダウンジャケットが渡された」と反論し、2018年12月にクァクさんにダウンジャケットを渡した写真と、イさんら13人の被害者に宅配便の発送状を証拠として提示した。「中央日報」は2日後の5月21日、「『ARMYの寄付品を受け取れなかった』と言っていたクァク・イェナムさんの養女…『誤解があった』と釈明」という見出しの記事で自らの報道内容を覆したが、同委員会は最近、「中央日報」に訂正報道文を掲示するよう強制調整した。

 正義連は、この他にも「国民日報」や「朝鮮日報」、「韓国経済」など9社の13件の記事に対し、訂正報道及び損害賠償を請求する調停を言論仲裁委に申請した。言論仲裁委はこれまで3件の記事に削除と訂正報道文の掲載、8件に対しては訂正報道および反論報道の掲載、見出しの修正などの措置を取った。正義連は調停が成立しなかった残りの2件については、「朝鮮日報」と「新東亜」を相手取って訴訟を検討している。

 正義連と関連した主な疑惑が提起されたマスコミ報道の相当数が事実と異なるという決定が出たことを受け、これを根拠に正義連の「会計不正」疑惑の捜査に乗り出した検察は、厳しい立場に立たされた。検察は今年5月に捜査に着手し、「マスコミ報道で持ち上がった疑惑をすべて調べる」方針を示したが、その根拠が揺らいでいるからだ。

 検察は、捜査に着手してから3カ月を迎える現在も、基礎的な事実関係の作業を進めているという。検察は最近まで、毎週2~3回、正義連の会計担当者を呼んで挺対協、正義連の会計資料と実際の支出内訳を確認する基礎的な作業を行っている。検察は、疑惑の核心人物であるユン・ミヒャン共に民主党議員をこれまで1回も召喚していない。ユン議員は、個人口座で後援会を募金したり、安城にある憩いの場の土地購入をめぐる疑惑など、野党やマスコミが持ち上げた疑惑に全て関わっている。

チェ・ユンテ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
資料出所:http://japan.hani.co.kr/arti/politics/37367.html


〈原文〉
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/956177.html